仕事満足度調査から浮かび上がる働き手にとっての働き方改革より重要なこと (2017/8/28 瓦版)
仕事満足度調査で1位に輝いた職種は
総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア(株)(旧社名:インテリジェンス、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾 太郎)が運営する転職サービス「DODA(デューダ)」(https://doda.jp) が、仕事に対する満足度調査を実施(対象:20歳~59歳のビジネスパーソン15,000人)。その結果を公開した。
同調査は、現在就いている職種について、『総合』『仕事内容』『給与・待遇』『労働時間(残業・休日など)』『職場環境(社風・周囲の社員など)』の5つの指標別に満足度を100点満点で回答。その総合評価を算出する。
総合満足度1位は「融資審査・/契約審査(金融系専門職)」で、73.5点。『総合』満足度は、全110職種の平均は63.7点だった。1位の「融資審査・契約審査(金融系専門職)」は、5つの指標すべてで上位5位に入るほど、全体に満足度が高く、それが総合満足でも高い評価につながった。
具体的な回答では、「会社全体に対する貢献を感じられる」「成果に対する明確な報酬がある」など、企業の心臓部に関わる業務とあって、仕事へのやりがいや年収に対する満足度が目立った。加えて、「残業は少なめ」「有給を取りやすい」などワーク・ライフ・バランスを取りやすい環境であることがうかがえ、やりがいと職場環境のバランスがすぐれていることが分かる。
2位の「MR(営業)」は『仕事内容』『職場環境』の満足度が高かく、さらに『給与・待遇』の満足度が110 職種中最高だった。3位の「人事(企画・管理系)」は、全体的に満足度が高く、特に、『給与・待遇』の満足度が全110 職種中3位で、総合評価上位に押し上げる要因となった。
調査がからみえてきた満足度の重要要素とは
調査全体では、企画・管理系職種が上位20職種中9つと5割弱となり、回答者の声も「希望通りの仕事ができている」「やりたかった職種に就けているから」という回答者の意見が目立った。「企画・管理系職種は、やりたいこと、得意なことを仕事にしている人が多い傾向にあり、『仕事内容』に対する希望と現実のギャップが少なく、満足度が高い結果につながっていると考えられます」と同社では分析している。
さらに「本仕事満足度調査から、総合的な仕事満足度に最も影響する指標は、『仕事内容』であることが分かりました。次いで『給与・待遇』『職場環境』『労働時間』が続きます。『仕事内容』に満足している人は、仕事に対する総合的な満足度も高くなり、反対に、『職場環境』や『労働時間』に満足していても『仕事内容』に満足できていない人は、総合的な満足度が低くなる傾向が見られることも分かりました」(DODA編集長 大浦征也氏)と分析している。
就活では、企業ブランドを軸に企業選定し、同時に希望職種も吟味するパターンが幅を利かせている。同調査で上位に並んだ企画・管理系職種を希望する求職者は少なくないが、それだけ競争率も高い。ジョブローテンションで、いつかは希望の職種につけるという希望を持って、職種は希望外でも就職してしまう求職者もいるが、専門性を外部に求める傾向も強まりつつあり、妥協が幸福につながる可能性は決して高くはない。
DODA編集長の大浦氏は、次のような分析もしている。「『仕事内容』に満足している人は、仕事に対する総合的な満足度も高くなり、反対に、『職場環境』や『労働時間』に満足していても『仕事内容』に満足できていない人は、総合的な満足度が低くなる傾向が見られる」。つまり、仕事内容>職場環境は明白で、職場で気持ちよく働くためにはやりたい仕事をすることが重要ということだ。
「好きなことを仕事をする」は、極端にしても、自分にとってやりがいを感じられ、得意であるということを仕事にできる満足度は非常に大きい。同調査は、その事実を如実に示している。働き方改革で、職場環境は改善に向かいつつあるが、最後の砦は自分にあり。同調査が示すものは、働くものにとって、当たり前のようだが、重要ということを改めて感じさせる。
- 関連記事
- 働く人が幸せになる仕組みをつくった経営者は何を重視したのか
- 人事評価制度こそが働き方改革推進に重要な理由
- 売り手市場なのに求職者が武器を磨く深い理由とは
- 満足度を上げる!訪日外国人が求める情報とは?
- 最低賃金を下回る東京大阪の中小企業が増加!そのワケは?