職場の生産性アップをサポートしてくれるイスと机と宇宙人? (2017/7/27 瓦版)
4回目を迎えた働き方変革EXPOで見つけた注目アイテム
各企業が働き方改革に取り組む中、生産性の向上は、業務時間の短縮と絡み、大きなテーマのひとつなっている。同じ時間でいままで以上のアウトプットを出す。長時間労働是正のキモでもあり、各社はあの手この手でこの問題に向き合っている。もっとも、足の遅い人が急には早くならないように、業務スピードも急速には変わらない。そこで、総務・人事ワールド2017内の「第4回ワークスタイル変革EXPO」(~7月28日=東京ビッグサイト)でみつけた、手軽に効果が期待できそうな3アイテムを紹介する。
まずはデスク。仕事といえばデスク。何か工夫ができれば、生産性アップにも貢献しそうだが、思い浮かぶのは高さ調節や整理整頓くらいだろう。だが、ビーズ(株)のエクササイズデスクは、一味もふた味も違う。ズバリ、“1台2役”の機能性デスクだ。ポイントは、一体のイスと連動し、エアロバイクのペダル部分が装備されている点。軽い運動をしながら仕事をすることで生産性が上がるという研究結果がある。それを実践するには最適なデスクであることは間違いない。
こうしたタイプのデスクは、瓦版で過去にも紹介している。だが、アチラがエアロバイクにテーブルがついたタイプだったのに対し、コチラは机にペダルを付けた仕様。つまり、着眼点が180度異なる。似ているようで違うのだ。そのため、机部分が大きめで、出来る作業領域も広い。手動で高さ調整も可能でスタンディングデスクとしても活用できる。立ちデスクも生産性向上に貢献するといわれており、同製品は1台でダブルの業務効率アップが期待できる業務机といえるだろう。
お次は、「イス」だ。正確には、プライバシーを確保できるつい立一体型のソファ。プラス(株)が販売する。雰囲気としては旅客機のビジネスクラスの様なゴージャス感で、しっかりと個の空間をキープ。そこにゆったりしたイスと格納タイプのミニテーブル、書棚などがセットされ、職場にいながら、喧騒から離れ、落ち着いて、集中して仕事ができる。
同社は、都内にあるオフィスがショール機能も兼ねており、同製品が設置されているが、社員からの人気が高く、いつも埋まっているという。リラックスしたい時や集中したい時にはうってつけで、生産性向上にも貢献しているそうだ。一台で新入社員2人分の月給くらいの価格となっているが、それによってそれ以上の付加価値が生まれるのだとすれば、安いものだろう。ちなみに、上述のビーズ社からは、デスクを個室化するテントが発売されており、アルバイト2日分くらいの価格で入手できる。
最後は、リモートワークの課題を埋めるアイテムだ。(株)オリィ研究所の「OriHimeBiz」 は、身代わりロボ。例えば在宅勤務の場合、このロボットが遠隔操作でうなずいたり首を振ったり、手を挙げたりして、MTGなどで“代役”を果たしてくれる。非常にシンプルなものだが、見た目や動きの愛らしさは、MTGの雰囲気をいい意味で和ませ、遠隔参加者のどことなくドライな感覚に潤いを与え、想像以上の効果をもたらしてくれる。
ペンギンのような動きをする手の部分は、以前は関節のある人間に近いタイプだったが、かわいくないという理由で修正。現在の形に落ち着いている。微妙な部分を着実に改良しながら、いまのカタチにたどり着いた同製品は、現在の手の平サイズから“巨大化”へ向け開発が進められている。その目的は、遠隔での接客サービスの実現だ。そうなれば、テレワークの次元を超え、まさに“分身”として活躍する場面が、拡大していきそうだ。
手軽で楽しめて効果も期待できるアイテムの導入でジワジワ攻めるのも一手
上記3つは、改革という名からすれば、本当に小さなサポートかもしれない。だが、いきなり大きな変革に乗り出せば拒絶反応や副作用が発生しかねない。むしろ、こうした小さくても効果の期待できる取り組みを積み重ねる方が、結果的には改革の推進につながることもあるだろう。大事なことは、使う目的の精査と使いこなす意欲だ。働き方改革の潮流に乗り、多種多様な支援サービスが誕生している。風土改革や制度導入ももちろんだが、手軽に活用できるサービスから入って、社内のムードを少しずつ高めながら改革の推進力をつけるというアプローチも有効かもしれない。
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