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仕事と育児の両立をスマートにこなすためにおさえておくべき5つのポイント (2017/6/7 瓦版

関連ワード : 労働・雇用 子育て 待機児童 

仕事と育児の両立を目指すプロジェクトからみえたヒント

赤ちゃん

子育て中のママ社員にとって、仕事との両立は大変だ。政府が女性活躍推進を打ち出し、待機児童ゼロへの動きも加速しているが、制約がある中で、同じくらい重要な2つのことを同時にこなすハードさは根本的に変わらない。少しでもスマートに、子を持つビジネスパーソンが避けては通れないハードな時期を乗り越えるためにどうすればいいのか。先日都内で開催れた「子育てしながらしながら働きやすい世の中を、共に創る。」を目指すプロジェクト「iction!」のセミナーからそのヒントを探ってみる。

保活

両立における最初で最大といえる関門が保育所の確保だ。これによって離職ということもあり得るだけに、保活は最も重要なプロセスといえる。ワーキングマザーの総合支援企業(株)マザーネット代表の上田理恵子氏は第一希望の保育園に入るためのポイントを次のように明かす。

「まず役所に行って、納得いくまで質問しましょう。子育てサロンや育児教室でママ友を作り、情報共有するのも重要です。それから、押えといっても認可外の保育園は予約金を払っても予約をしておきましょう」。早く動いて、粘り強く向き合う。シンプルだが、徹底することで、難関は突破への道が拓ける、ということのようだ。

子ども

政府や自治体も待機児童の問題には積極的に取り組んでおり、環境整備に動いている。そうした情報をいち早くキャッチすることで、思わぬ朗報をつかむこともできる。保育園確保は狭き門。そのイメージだけに押しつぶされないよう、抜かりなくアクションは続けよう。

社内託児所か自宅近辺か

昨今は、社内に託児所を構える企業も増加している。目の届く範囲に子どもを帯同できることは、ママ社員にとっては気持ちの面での安心感は非常に高い。両立という観点からは、理想に近いスタイルといえるかもしれない。

だが、何事にも万能はない。会社が自宅と離れている場合、子連れ出勤という苦難が待ち受ける。ラッシュ時に子どもを連れて移動するストレスは、想像以上のものがある。そうしたことから、意外に支持派が少ないのが実状だ。会社と自宅が近い人にはベストといえるかもしれないが、そうでなければ、安易に利用するのは考えものだ。

早期復職かしっかり育休消化

妊娠した。出産する。産休に入る。女性社員の場合、こうした流れでしばらくの間、職場を離れることになる。このご時世で、産休が取りづらく、退社圧力があるような企業は論外だが、復帰のタイミングは個々によってさまざまで簡単な問題ではない。

子どもとの時間を大切にしたければ、たっぷりと育休を活用することになる。一方、出来るだけブランクを空けたくないというタイプの人もいる。どちらが正解ということはないが、早期復職派の楽天(株)牛山典子氏は、その理由を次のように語る。

ictionセミナーでは企業の事例報告がパネルディスカッションで行われた(左から楽天牛山氏、SCSK酒井氏、リクルートホールディングス伊藤氏)

ictionセミナーでは企業の事例報告がパネルディスカッションで行われた(左から楽天牛山氏、SCSK酒井氏、リクルートホールディングス伊藤氏)

「ブランクが空くのは不安だし、長く休む場合には、復帰後に所属が変わる場合もある。一方で、早く復帰すれば、すぐに感覚を取り戻せるし、休職前と同じ仕事をあてがってもらいやすい」。まさに、仕事に軸を置く価値観だが、企業にとっても、こうした早期復帰組の方がありがたいことは確かで、早期復職を優遇する制度を設定している企業も少なくない。

だからといって、たっぷりと育休を取得することが悪ではもちろんない。当然、復帰後に苦労はするだろうが、それも休職中の会社との密なコンタクトや産休前の綿密なキャリアプランの設定などで、負担は軽減できる。どちらを選択するにしても、自分の以外の人は協力は不可欠。その点を忘れず、根回しとプランニングを綿密にすることが肝要だ。

フルタイムか時短か

復帰後にフルタイムにするか時短にするかも悩ましいところだろう。多くは時短を選択するようだが、昨今は少し状況が変わりつつある。その理由は働き方改革の浸透だ。特に残業削減に注力する企業が増え、総じて定時で帰りやすくなっている。終業時間によっては、フルタイム勤務でも子育てとの両立が可能な環境も整いつつある。

仕事

一方、時短勤務は、どうしても時間の制約があるため、時間に追われがちなる。結果的に生産性が下がることも珍しくない。それでも、時短勤務者は、限られた時間で成果を出さねば、という思いもあり、空回りしがちだ。事情あっての早帰りで、当然の行為なにも欠かわず、やはり周囲の目は気になる。このストレスは想像以上のものがあるだろう。

働き方改革の浸透具合にもよるが、残業がなく、定時で帰れる環境が整備されているなら、潔くフルタイムを選択しても問題ないかもしれない。もちろん、子育て中は突発事項が多く、気が引ける面はあるだろう。この辺りは、パートナーとの連携を強化し、クリアすればいい。

男性の育児参加

ようやく男性の育休も取得者が増えつつあるが、まだまだ少数派。とはいえ、両立にはパートナーの協力は不可欠だ。もはや子育てはママだけ、の時代ではない。ワンオペ育児をさせているようでは、“大黒柱”とはいえない。そう言われても…。積極的に男性が育休を取得している企業は、トップ自ら実践していたり、取得を声高にアピール。男性社員も取得して何をするのか、という不安から躊躇しがちだが、取得することが、世帯の安定につながるという自覚を持って踏み出す必要がある。

子ども

リクルートでは男性の育休取得を必須化。いい意味の強制で取りやすい職場を生み出している。楽天では、外国籍の社員が20%在籍する特性もあり、外国人の男性社員が育休を積極的に取得。それに促されるように日本人の男性社員が追随する流れが出来つつあるという。一度、流れが出来れば定着しやいため、いかにファーストペンギンがでるかのムード作りが重要といえるだろう。

<まとめ>

いまや、女性の新入社員も4人に1人は「定年まで働きたい」(中堅・中小企業の新入社員対象=東京商工会議所調べ)という時代。子育てと仕事の両立は、不可避であり、もはやスタンダードになりつつある。ただし、現状のままでは課題が山積みだ。労働時間、保育所、男性の協力など、ママ社員だけの意識ではどうにもならないから厄介だ。企業は最大限に子育てに理解を示すべきであり、パートナーもママ任せでは会社員としてマイナスだ。ワーママのワンオペ育児は、男女平等に逆行すると猛省する必要さえある。時代は変わった。社会はそれほど、仕事と子育ての両立を必要としている。だが、まだまだ実態がついていけていないのも事実。それでも、着々と成功事例が増え、企業の受け入れ態勢や環境整備も着々と進んでいる。そうした状況をうまく活用するなど、1人で悩まず、周囲を最大限に頼る姿勢や意欲がありさえすれば、案外、両立も困難でなくなりつつあることは知っておいた方がいい。

提供:瓦版

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