自民党が発表した「こども保険」少子化対策に効果はあるのか? (2017/4/20 JIJICO)
こども保険とは?
自民党が少子化対策の財源を確保するための新制度「こども保険」の検討を発表。その後、多方面から是非を問う声が上がりはじめましたが、皆さんはこの「こども保険」どう思われますか?
と言うか…そもそもこの「こども保険」って何?という方へ、改めてまずは概要を説明しましょう。
従来の公的年金の保険料に上乗せして現役世代から幅広く保険料を集め、それを子育て支援、主に未就学児童の児童手当等に用いる制度のことです。そして将来的には幼児教育の無償化が目標のようです。
こども保険の目標である少子化対策
この制度の検討が発表されてから色々な意見・議論を耳にします。
例えば
・「保険」という名称はいかがなものか?(こどもはリスクなのか?)
・税金アップと変わらないのでは?
中でも一番目立つ意見は
・子ども(未就学児)が居ない家庭にはメリットは無いのでは?というもの
もちろん、これらも十分に議論していかなければならないものばかりですが、この制度の大きな目標は「少子化対策」にあります。議論すべき大切な事はこの制度で少子化に歯止めがかかるか?ということであり、現在はその議論が不十分な気がします。
日本では2050年に、働く若い世代の人口が今より約3500万人少なくなり、逆に高齢者は世界平均の2倍以上になるとも言われています。もしこの制度によって将来的に少子化に歯止めが掛り、働く世代が増えれば、きっと我々未来のお爺ちゃん&お婆ちゃんに恩恵は返ってくるはずです。そう考えれば、子ども(未就学児)が居ない家庭だとしても大賛成となるはずです。いやいや、この程度で少子化には歯止めがかからない。と考えるのならば、子ども(未就学児)が居ない家庭としては大反対となるはずです。
幼児教育の無償化は少子化対策に繋がらないのでは?
もう一度質問です。皆さんはどう思いますか??
問いかけばっかりでは申し訳ないので私の個人的な意見を言います。私は反対です。どうも幼児教育の無償化は少子化対策に繋がらない気がします。
理由としてまず一つ目は、「子育て世帯の現実の金銭的不安や悩み」です。
3人の子育て中の父親継続中の身として、幼児時期の教育費ではなく、その後の義務教育以降の教育費のほうが現実的には心配です。
「果たして3人とも人並みの教育を受けさせてあげられるのかな?」
「一番下が高校生になる時、僕って何才?今みたいに働けるかな?」
そう考えると、正直 もう兄弟を増やそうとは中々考えられません。子どもが小さな時は、親も若い。子どもが大きくなるに連れ、親は年を取る。これが現実の不安材料であり、兄弟が増えない原因の一つだと思います。
二つ目は「求めているものの違い」
この制度は幼児教育の無償化をすれば子育て世帯の負担軽減と言っていますが、今一番問題なのは「働きたくても預かっている所が無い」という待機児童問題ではないでしょうか?子育て世帯の多くは幼児教育無償化の前に、その教育を受けさせてくれる。そしてお母さん方が安心して働ける場所を増やしてもらえる事を求めているのでは?と思うのですが…
最後に、一番感じることは「それ以前に…」
今の若者は 結婚自体への関心が薄い気がします。少し語弊のある言葉かもしれませんが…結婚無くして子ども無しなのでは?ということです。もっと結婚に対し前向きになれるような制度や、若い方々の給与水準を結婚できるレベルまで上げる制度からスタートしないと、政府が掲げるゴールまで辿り着けないような気がします。
はっきり言います。私はこういった制度の専門家ではなくただの一般人の一意見ですので、全く間違いの意見かもしれません。
こういった議論をする際に
・「今」ではなく「将来」を見て議論する
・「本当の目的(問題)って何?」「それに沿っているのか?」から外れず議論する
という事が大切な気がします
そして政府の方にお願いしたいのは、皆さんみたいな優秀な方ばかりでは無いという事。もっと私レベルでも分かりやすい言葉で、分かりやすく説明してくれると有り難いです。
- 著者プロフィール
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つだ つよし。/心理カウンセラー
株式会社ドリームプロモーション
1994年、吉本興業福岡事務所に所属。博多華丸に師事してイベント等に出演。2002年、吉本興業福岡事務所を辞め、大分県内にて制作会社に所属しながらタレント活動と番組の企画・制作に携わる。2011年、心理カウンセラーの資格を取得し、翌2012年、ドリームプロモーション設立。不登校など心に不安を抱える子どもや自信の持てない子ども、その親へ向けてのカウンセリングや講演会、セミナーを実施。
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