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LGBT居住率日本随一!?中野区は同性パートナーシップ条例には消極的 (2015/10/30 政治山)

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渋谷区の条例制定で大きな波及効果

 2015年3月に東京都渋谷区は「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」(以下、同性パートナーシップ条例)を制定し、10月23日に長谷部区長は記者会見で、同性カップルを結婚に相当する関係(パートナー)と認める「同性パートナーシップ証明書」を11月5日から発行する事を発表しました。

 渋谷区の条例制定後、お隣の世田谷区が同性カップルの宣誓を認める公的書類を発行する事を発表、NTTドコモが証明書の提示で「ファミリー割引」を適用する事を発表するなど、LGBT(性的少数者)が注目を集め、他自治体や民間企業等に大きな波及効果をもたらしています。

田中大輔・中野区長の挨拶

田中大輔・中野区長の挨拶

中野区はLGBTの居住率が日本随一

 LGBTとはレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字をとった総称です。日本ではLGBTの該当者が人口の約7%程度で、中野区は当事者間で「LGBT居住率が日本随一」と言われています。世間の関心が高まる中、その中野区で29日、LGBTの状況を伝え理解を深めるためのシンポジウム「すべての人々が暮らしやすい中野区を目指して」が催され、会場の中野区産業振興センター3階 大会議室には座席数を大幅に上回る約120人が参加しました。

パネリスト一同

パネリスト一同

 LGBT当事者でもある永野弁護士による基調講演の後、パネルディスカッションでパネラーは職場と社会の理解を深めていく必要性等を呼びかけました。質疑応答では会場から「中野区は同性パートナーシップ条例の制定を具体的に目指しているか?」というに質問に対して、田中区長は「必ずしも同性パートナーシップ条例を作る必要があるかといえば積極的には考えていない」が「ユニバーサルデザインな地域社会を創って行く事を区の方向性に位置づけて、具体的な方針は区で話し合っている」と述べました。

 パネラーの山田氏から「LGBTが存在しない事を前提に社会制度が作られているので、前提を改めて制度を見直すことも必要」というコメントがありましたが、これから本格的に運用が始まるマイナンバーなど、公的手続きでは性別の記載が求められるケースが多くあります。LGBTの問題で苦慮する人の心境を考えると制度の前提から見直していく必要があるかもしれません。

取材:立石理郎(政治山記者)

■イベント概要
イベント:すべての人々が暮らしやすい中野区をめざして
日時:2015年10月29日(木)19時~21時
場所:中野区産業振興センター3階 大会議室(中野区中野2-13-14)
主催:中野LGBTネットワーク にじいろ
共催:中野区
基調講演:永野靖(弁護士・中野区在住)
パネルディスカッション:
 田中大輔(中野区長)
 田辺裕子(中野区教育委員会教育長)
 山田正興(山田医院院長)
 大江千束(LOUD代表/中野LGBTネットワーク にじいろ共同代表)
 永野 靖
 司会・山縣真矢(NPO法人東京レインボープライド代表理事/中野LGBTネットワークにじいろ共同代表)

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