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[河内長野市]グリーンスローモビリティの導入効果を検証して発表 (2024/2/14 株式会社ぎょうせい

※画像はイメージです

 大阪府河内長野市(10万1800人)は、市内南花台地域で実施している高齢者移動支援の効果を千葉大学などと連携して検証し、千葉大学がその結果を学術誌に発表した。

 市は南花台団地再生モデル事業の一環として、買い物等の移動支援に向けて、19年12月からグリーンスローモビリティ(時速20km未満の電動カート)「クルクル」を運行している。その取組みによって高齢者の外出機会が増え、人とのつながりや心身への好影響が期待されているものの、それを裏付ける報告がなかったことから、電動カート利用高齢者の主観的変化を調査した。

 調査は、河内長野市、千葉県松戸市、ヤマハ発動機㈱、千葉大学予防医学センターが連携し、電動カートを運行している河内長野市南花台と松戸市2地区の65歳以上の電動カート利用者・非利用者599人を対象にアンケートで実施。高齢者の健康状態や暮らしの変化を答えてもらい、電動カートが健康や暮らしにどのような影響を与えているのかを検証した。

 その結果、利用者は、非利用者と比較し、①外出機会、行動範囲の増加は1.7~1.9倍、②家族・家族以外と話す機会、助け合い、地域活動参加は2.8~5.2倍、③楽しみ、生きがい、笑い、明るい気持ちの増加は2.1~2.6倍、にそれぞれ高まっていることが分かった。

 電動カートによる移動支援には、外出や人とのつながりなどに良い変化をもたらす“動く交流の場” 機能があり、地域課題解決の可能性が示されたことから、その成果が学術論文として23年10月の「老年社会科学」に発表された。

(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023)

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