“敗戦国日本のプライドを取り戻す” 安倍首相の憲法改正への意欲、海外注目 ニュースフィア 2014年12月26日
24日水曜に第3次安倍内閣が発足した。それを受けて、安倍氏は夜に記者会見を行い、今後の安倍政権が経済対策を優先課題として実行していく構えを見せたが、それとともに憲法改正への強い意欲を見せたことが海外メディアの注目を集めている。
◆敗戦国のプライドを立て直すために
ニューヨーク・タイムズ紙は、「安倍晋三氏が憲法改正を見据える」と題して、安倍首相が新内閣発足の会見で憲法改正への強い意欲を示したことを伝えた。
同紙は、憲法を自国で書かれたものに変え、敗戦国として傷ついたプライドを回復しようというのが、安倍氏を含む多くの右派の政治家が長い間求めてきたことだと述べ、アメリカの手による憲法ではなく、自分たちの手による憲法が、第二次世界大戦の敗戦を払拭したい政治家の悲願だったことを示した。
また、中国の台頭およびアメリカの地位の相対的な低下による試練に際して、日本の自衛隊が憲法で規制されているのは筋が通らないと考えている人が増えてきている、と同紙は指摘している。
しかし、実際に、日本の交戦権を否認している憲法9条を改正するには、戦時中の軍国主義を感じさせるものに拒否感を示す国民からの激しい抵抗にあうだろうと述べている。
憲法改正が「歴史的なチャレンジ」であると安倍首相はした上で、まずは防衛大臣に、元防衛庁長官で、自衛隊の役割の拡大を支持する中谷元氏を任命したことを伝えた。
◆構造改革と憲法改正に向けて
英フィナンシャル・タイムス紙も、安倍氏の首相再就任を伝える中で、安倍氏が押し進める経済政策「アベノミクス」を伝えるとともに、中谷元氏の防衛大臣就任を取り上げ、安倍氏の憲法改正への意欲を示した。
記事の前半で経済政策の三本目の矢である構造改革が道半ばであることを伝えつつ、後半には新防衛大臣の中谷氏に記事は集中。中谷氏の任命は、年明けの国会で「集団的自衛権」に関する法案を提出する安倍氏の考えからだとしている。
同紙は、中谷氏が自身のホームページで憲法9条が現実に即していないと述べたことを引用、また安倍氏の会見での言葉を引用して、安倍首相の改憲への強い姿勢を報じた。
「21世紀にふさわしい、どのような憲法を作っていくか、国民みんなで考えていく事こそ、新しい日本を切り開いていくことにつながっていくと、こう信じるからでもある」。
◆憲法改正が自民党の大きな目標
中国国営新華社通信も、安倍氏が日本に景気回復をもたらすことを最優先としつつも、憲法改正が自民党の大きな目標だと強調したことを伝えた。
安倍氏の会見の言葉として、「(自民党が)しっかりとした経済的な基盤を作って、国民生活を豊かにすると同時に、憲法改正をしていくと、この2つが大きな目標だった」と引用。
それが容易な仕事ではないと認めつつ、「これこそが正念場で、これこそが憲法改正の一番大切なポイント、舞台と言ってもいいと思う」と述べた安倍氏の言葉を引用した。
ただ、安倍氏が中国や韓国、ロシアとの関係改善へ向けた動きを見せていることも伝え、安倍政権の近隣諸国との外交を尊重する構えも示している。
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