【LM推進地議連連載/地方議員リレーコラム】
進化する議員の活動にご注目を~コラムスタートにあたって~(2012/05/16 東京都武蔵野市議会議員 川名 ゆうじ/LM推進地議連)
政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。第1回は、東京都武蔵野市議会議員の川名ゆうじ氏による「進化する議員の活動にご注目を~コラムスタートにあたって~」をお届けします。
地域にあわせた議会の姿を、地域で考えて作るべき
現在、地方自治法の改正が国会で審議されており、近く成立する見込みだ。改正が行われると自治体議会では、現状の多くの議会が行っている年間4回という会期ではなく、年間を通じて開催ができる「通年議会」を選択できるようになる。これは、パートタイムで議会を開催するのではなく、フルタイムで議会を開催できるというものだ。
しかし、通年議会は現行法でも可能で、実際に実施している例もある。それなのに、なぜ法改正までして決めるのだろうか。
先日、第30次地方制度調査会委員で民主党地域主権調査会会長代行の逢坂誠二衆議院議員にこの質問をしてみた。すると、全国一律に国が自治体議会の姿を決めるべきではない。すでに地方自治法の改正による議員定数の上限が撤廃されているが、このことを含め、自治体でどのような議会がいいのかを判断すべきとの考えからだという回答だった。
確かにこの考え方は正しいと思う。国が決めたことに全国の自治体議会が右へ倣えというのもおかしなこと。中央集権の姿そのものと言えることだ。地域特性にあわせた議会の姿を、それこそ、地域で考えて作るべきだろう。特に2000年の地方分権一括法以来、自治体の役割・責任は格段に重くなった。同時に本来であれば自治体の意思決定を行う議会の役割・責任も格段に重くなり、議会審議や活動についても変わっていなければならない。通年議会を選択するかどうかは別としても、議会や議員が変わっている、進化していなくてはならないのが今の時代だろう。
しかし、現実はどうだろうか。
川名ゆうじ氏
結果から言えば、変わってきている議会や議員は増えてきているが、まだまだ少数。さらに言えば、その変わってきている、進化している議会・議員を知る住民は、もっと少ないのではないだろうか。
自治体議会の話題といえば、不祥事か報酬が高い、議員を減らせということがほとんど。でも、それだけの存在だろうか。まず、何をしている、しようとしているかを見てから判断すべきだと思う。変わらない議会ならいらない、と言われてもしかたがないが、新たに変わった、あるいは、変わろうとしている、進化しようとしている議会・議員を見てから判断すべきだと思う。
本コラムは、この意味からいっても重要な情報が得られるはずだ。
コラムを担当させていただくのは、地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治確立のため実践する団体として設立されたローカルマニフェスト推進地方議員連盟のメンバー。それぞれの実践や自らの考えが毎週発信されることになる。今後にご期待ください。
最後に私からの宣伝。『バカヤロー市議会議員』(晋遊舎新書)を上梓しました。インパクトのあるタイトルだが、夕陽に向かって叫んでいるようなものを思ってください。目先の利益誘導から全体を俯瞰した政策本位の議員が増えれば政治は変わっていく。有権者こそが気がついて欲しいという趣旨の本です。よろしければ、ご一読ください。
- 著者プロフィール
- 川名ゆうじ:東京都武蔵野市議会議員。3期目。民主党所属。市議会では議会運営委員会委員長、総務委員会委員など。フリーライターとしてアウトドアやパソコン雑誌などでの執筆活動を経て市議会議員に。ローカルマニフェスト推進地方議員連盟事務局長。
川名ゆうじのサイト http://www.y-kawana.jp/
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