築80年の「空き長屋」を活用した「クリエイター・イン・レジデンス構想」。自分たちの手(DIY)で再生するその過程自体が、すでにとってもクリエイティブ! (2016/1/14 地域移住計画)
愛知県津島市に、300坪の敷地内に並ぶ築80年の「空き長屋」があります。
ここを自分たちの手(DIY)で再生しながら、将来的には「クリエイター・イン・レジデンス」として「暮らしをつくる、仕事をつくる、まちをつくる」を体験できる場所にしようという構想が進んでいます。
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80年前といえば、戦前の時代。当時紡績業で栄えた津島の女工さんたちの住む場所を確保するために、現オーナー(65歳)のお祖父さんが建てたものだそうです。
時代の流れとともに地域の紡績産業も衰退し、この広い敷地に建てられた長屋も、その役割を終えるかのように思われていました。
しかし、現オーナーは、この場所に今一度「命」を吹き込み、人々の想いやアイデアを実現できる場所にすることはできないかと考え、自らの手でここを再生することを決意します。
そんなオーナーの想いに共感し、現在この再生プロジェクトを共に進めているのが、石渡 のりおさん(41歳)です。
石渡さんは、都内で個展を開くなど美術家として活躍していますが、現在はこの長屋にある一部屋を借りて、東京と津島を行き来する「2拠点生活」を実践しながら、この再生プロジェクトに取り組んでいます。自身の暮らし方を「生活芸術」と呼ぶように、この長屋再生の過程そのものを、作品作りの場のようにもとらえているようです。
この築80年の「空き長屋」を活用した「クリエイター・イン・レジデンス構想」は、自分たちの手(DIY)で再生するその過程自体が、すでにとってもクリエイティブです。
実はオーナーは京都大学で橋の構造を研究していた経歴があり、この空き家の再生にあたり、自身のアイディアやノウハウを石渡さんと共に試しながら、さながら、DIYによる実験住宅として取り組んでいます。
また、「古家リノベ塾」と題し、DIYリノベーションに興味のある人達に対して、床貼りや壁塗りのプロからその技術を学びながら、リノベーションの実践現場を体験できるイベントも開催されています。
少しづつ自分たちの手でつくるということは、とっても手間のかかることのように思えますが、「身の回りにあるモノやコトをなんでも組み合わせてやってみる」「作る過程もクリエイティブでなくてはいけない。」という想いや哲学がこの場所には流れていることを感じます。
愛知県津島市の駅から徒歩8分の立地に軒を連ねる建物たちをリノベーションするだけでなく、ここを訪れた人がノウハウを身につけ、また別の場所での地域活性化に応用できるような人材を輩出する目的も兼ね備えた、このプロジェクト。
地域移住計画では、今後定期的に追いかけたいと思っています。