「現職市長に政策提言」未来自治体2012トライアル決勝(2012/04/23 政治山)
NPO法人ドットジェイピーが主催する「未来自治体」トライアルイベントの決勝が22日に千葉県流山市で行われ、学生たちは3グループに分かれ同市の30年後のあるべき姿と10年後の予算案を発表した。
当日は井崎義治同市長と池森政治同商工会議所会頭も特別参加し、学生たちの熱弁に耳を傾けた。
学生たちは、自分が首長選に立候補した際の選挙公約として「自分が市長だったら街の未来をどうするか」を考え、それぞれのチームが将来のビジョンと重点政策を明確に打ち出して選挙の際の立会演説会さながらに発表に臨んだ。
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3チームの発表後、39歳以下の参加者全員がその場で投票し、最も優秀な発表を行った優勝チームが発表され、「あなたといきたい、流山」をキャッチコピーに教育と雇用、観光を重点政策としつつ流山への「郷土愛」を強調したチーム北島が優勝した。
講評には井崎市長と池森会頭が登壇し、学生ならではのアイデアの数々を称賛し労をねぎらいつつも、井崎市長は「キャッチコピーの『流山』を他の自治体に簡単に置き換えられるようなものではいけない」と述べ、池森会頭からは「地域の実情を調査するはずが、地元の商工業振興に尽力する我々(商工会議所関係者)への取材がなかった」と耳の痛い指摘も。
後半は優勝チームへの特典として、彼らに井崎市長と池森会頭を交えたパネルディスカッションが行われ、提案資料作りで苦労した点や政策の実現性について活発な議論が交わされた。
コーディネーターとして登壇した佐藤大吾理事長は「誰のための政策なのかが重要。現在の議会では若者向けの政策はほとんど論じられていない」と述べ、若者の政治離れが進めば進むほど自分たちが深刻な不利益を被ることへの警鐘を鳴らした。
また佐藤理事長は、「色々な経験を重ね、知識も豊富なはずの我々大人が考えるチームとは違うチームが、いつも優勝する。そこが面白さであり難しさでもある」とも述べ、学生たちのさらなる政治参加への期待をにじませた。
今月7日にスタートした「未来自治体」トライアルイベントは一旦終了し、今後は夏から秋にかけて本番環境での取り組みを当初は3自治体で実施する予定だ。
・3チームの発表の趣旨は以下の通り ※( )内は編集部が補足
チーム名 | キャッチコピー | 重点政策 |
---|---|---|
法政大学志雄会 | 近未来型都市流山 | 1:未来型商店街の創設と大型複合商業施設の誘致 2:市内“自動”車プールシステム(買い物弱者の救済) 3:社会保障・年金特区(世代間格差の是正) |
チーム北島 | あなたといきたい、流山 | 1:教育事業(民間人材活用特区の設置) 2:雇用事業(雇用の創出・企業誘致) 3:観光事業(アニメの聖地として発信) |
ドットジェイピー 千葉茨城 |
わたしが創る、価値ある流山 | 1:自立した市民生活(直接民主制導入と議会廃止) 2:自然と生きる(太陽光発電の積極導入) 3:市内全域ICT化(行政効率化と人件費削減) |
井崎市長と池森会頭を交えたパネルディスカッション
各チームの提案資料
関連リンク
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