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「もし自分が市長だったら」未来自治体2012トライアル(2012/04/12 政治山)

大学生が自治体の予算案を作る政策コンテスト「未来自治体」のトライアルイベントが7日に港区青山で行われ、学生たちはグループに分かれて実際の市の政策の現状や財政状況をもとに30年後のあるべき姿を議論した。今後は中間報告を経て、22日に予算案を発表する予定だ。

4/22の記事はこちら→「現職市長に政策提言」未来自治体2012トライアル決勝(2012/04/23)

学生たちは市長の立場になって街の将来像を考えていく学生たちは市長の立場になって街の将来像を考えていく

「未来自治体」の流れはこうだ。まず自治体の現状について説明を受けた学生たちは「自分が市長だったら街の未来をどうするか」を考え、自治体の現状や現地での調査をもとに、学生らしく枠にとらわれない、かつ実現可能な予算案を考えていく。

イベントの主催は若者の政治参加を促すイベントを多数行っているNPO法人ドットジェイピーで、2010年からは「未来国会」という取り組みを実施している。国家の形を決める予算に着目し、大学生が日本の将来像を描きその実現のために国の予算案を策定するという政策コンテストだ。今回のイベントは、その自治体版になる。

同団体の佐藤大吾理事長は、「未来国会ではお金の単位が数十兆円規模になるが、地域のことだと金額や課題などについて身近に感じられるのではないか」と述べ、今回自治体を対象としたことで学生たちがよりリアルなビジョンを持って予算を作ることに期待をにじませた。

ドットジェイピーの活動や未来国会に関わってきた学生11人が3チームに分かれて参加した。

流山市の現状をもとに議論

流山市が用いたキャッチコピー「母になるなら、流山市」流山市が用いたキャッチコピー「母になるなら、流山市」

今回、モデルケースとして対象になった自治体は千葉県流山市だ。ナビゲーターから市の政策の方向性や財政状況の概要として、首都圏の人口争奪において、「母になるなら、流山市」というキャッチコピーを用いて共働き夫婦流入を促す政策を進めたこと、また、社会保障に関連する扶助費が増加していることや公債費増加の懸念など財政上の課題が共有された。それにもとづいて学生たちは、市の30年後のあるべき姿を議論した。

発表後にはナビゲーターから、1週間後に開催される次回の中間報告までに、30年後の「市のビジョン」、それを実現するための「重点政策」を考えてくるよう宿題が出された。 参加した学生からは「何か問題があってもそれを解決する方法は考えたことがなかった。勉強不足ということがわかっただけでも、参加した意味があった」(千葉大学の鳥居航さん)、「学生の目線だけで考えていたけど、色々な立場で考えないといけないと思った」(筑波大学の前田奈津希さん)といった感想があった。

今後は会場を流山市に移して、4月14日には中間発表、22日には最終発表が行われる。
今回は試験的な実施であり、夏から秋にかけて本番環境での取り組みを当初は3自治体で実施する予定だ。

  • 配布された流山市の決算状況資料
    配布された流山市の決算状況資料
  • 学生たちは配布された資料をもとに議論
    学生たちは配布された資料をもとに議論

関連リンク
NPO法人ドットジェイピー
未来国会
流山市
「現職市長に政策提言」未来自治体2012トライアル決勝(2012/04/23)

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