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地域活性をみんなで考える「湘南未来フォーラム2013」開催(2013/02/12 政治山)

 神奈川・湘南地域の将来像を市民参加で議論するフォーラム「みんなで湘南の未来を考えよう! 湘南未来フォーラム2013」が9日、神奈川県藤沢市の「かながわ女性センター」で開催され、500人を超える市民が参加した。

 主催は公益財団法人・松下政経塾。会社員や公務員、学者など市民ら約60人からなる勉強会『湘南ビジョン研究会』(代表:片山清宏氏=松下政経塾31期生)と共催した。同研究会は2011年5月に設立され、湘南の10年後の理想像を定めた「湘南都市構想2022」の策定と、浜辺の国際環境基準「ブルーフラッグ」の認証取得を目標に活動している。

「湘南都市構想2022」について発表する片山清宏・湘南ビジョン研究会代表 「湘南都市構想2022」について発表する片山清宏・湘南ビジョン研究会代表

 今回のフォーラムは3部構成。第1部では、片山氏は「地域主権社会の実現~湘南から日本の未来を切り拓く~」と題する講演を行った。その中で片山氏は、自身の厚木市職員としての経験から、市町村の枠組みでは解決できない課題を認識し、「湘南地域の10年後を見据えたまちづくり構想『湘南都市構想2022』を策定し、平塚市、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、逗子市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町の各市町を『湘南9市町』として、地域で一体的に課題解決に取り組んでいくべき」とした。
 さらに地域産業の活性化について会場から問われ、「観光産業と一次産業が成長産業。海に恵まれているという“資源”を生かすべき。1つの産業だけでなく、いろんな産業を組み合わせて、相乗効果で地域に新しい産業を生み出す」と述べた。

 第2部は、同研究会の「防災・交通」「観光・産業」「教育・スポーツ」「医療・福祉」の4つの分科会から、「湘南都市構想2022」の最終提言が発表された。同構想では、それぞれの分科会が掲げた24のプロジェクトのうち、8つを重点プロジェクトとして位置づけている。その中で、防災・交通分科会は「誰もが湘南防災マイスター」「自転車で湘南の風を感じよう!」、観光・産業分科会は「“なぎさの駅”~観光元年」、教育・スポーツ分科会では「郷土を学ぶ『湘南学』」、医療・福祉分科会では「50歳からの『湘南大人大学』」といった提言を発表した。その後、会場からの投票が行われ、最優秀提言を選出。防災・交通分科会の2つの提言が選ばれた。

登壇したパネリスト。(左から)宮川浩子氏、朝比奈一郎氏、松沢成文氏 登壇したパネリスト。(左から)宮川浩子氏、朝比奈一郎氏、松沢成文氏

 第3部は有識者による発表の講評と会場からの質疑応答。片山氏をコーディネーターに、元神奈川県知事の松沢成文氏、政策立案支援と人材育成を行っている『青山社中』筆頭代表の朝比奈一郎氏、コミュニティFM『レディオ湘南』パーソナリティの宮川浩子氏をパネリストに迎え、湘南地域が目指す方向性についてディスカッションが繰り広げられた。
 その中で松沢氏は、「『湘南都市構想2022』が実現されるかどうか、今後の2年目、3年目に期待する」とフォーラム全体について講評。さらに地方分権が進んでいない現状について、「地方分権の流れはでき上がっている。現状維持を選びがちな行政を改革するには、政治家に任せているだけでなく、地域の住民から動いていくしかない」と市民の行動を促した。
 朝比奈氏は、今回出された政策提言は長期的・広範・総合的なもので、“戦略的”であると評価。「素晴らしい提言があるので、実現がカギ。『行政』と『広域な地域』との2つの協働で、提言を進めてほしい」と述べた。
 宮川氏は、「湘南の資源は、海だけではなく人も宝。人と人とのつながりから発想が生まれ、実践に向かう。集まった人たちも、構想の実現に向けて協力していってほしい」と呼びかけた。

 同研究会は今後、行政や企業、NPOなど政策に関わる主体と協力し、提言の具体化を目指す。また、片山氏は「研究会自体は継続し、最終提言をさらにブラッシュアップさせ、進捗などを随時発信していきたい」と展望を述べ、フォーラムを締めくくった。

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