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「湘南」からまちづくりの提言を目指す「湘南都市構想」会議が開催(2012/05/21 政治山)

「湘南都市構想2022」第2回策定会議の様子「湘南都市構想2022」第2回策定会議の様子

 湘南地域の市民・研究者・自治体職員らが「湘南の海」をベースとした10年後のまちづくりのビジョンを提言することを目的とする「湘南都市構想2022」の第2回策定会議が、藤沢市の藤沢産業センターで20日に行われた。会議では、教育や観光などのテーマ毎に、4つの分科会による発表が行われたほか、有限責任事業組合「政策支援」代表組合員の細川甚孝氏による基調講演が実施された。

 「湘南都市構想2022」は、元厚木市職員で松下政経塾31期生の片山清宏氏が代表を務める「湘南ビジョン研究会」の活動の一環。市民・研究者・自治体職員・NPO・写真家など40名のメンバーで構成され、自治体単位ではなく「湘南地域」の10年後の理想像を提言することを目的としている。

「湘南ビジョン研究会」代表の片山清宏氏「湘南ビジョン研究会」代表
片山清宏氏

 今回参加した20名は、「湘南の海」という環境資源を軸に、「教育・スポーツ」「観光・産業」「福祉・医療」「防災・交通」という4つの政策テーマ毎に分科会で議論。それぞれのテーマ毎の構想を、神奈川県や湘南地域の市町村に提言していく。

 「湘南都市構想」という名前には、経済・雇用の面で横浜や東京に依存している湘南地域を、自立都市にしたいという思いが込められている。

 片山代表は冒頭の挨拶で、「湘南都市構想」が地域全体の将来像を提言するものである点について「最近、構想について人に話すと、『これまでになかった活動だ』と意義を認めてもらっている」とした。

 分科会では、メンバーが4つのグループに分かれて現状と課題について議論した。「福祉・医療」の分科会では、在宅医療や地域のかかりつけ医、介護問題に着目して元気に高齢者が住むことのできるまちづくりを目指すと発表し、「防災・交通」グループは、津波対策や地域の渋滞解消を課題としている点が共有された。その他、「教育・スポーツ」「観光・産業」でも活発な議論が行われた。

有限責任事業組合「政策支援」代表組合員の細川甚孝氏有限責任事業組合「政策支援」代表組合員の細川甚孝氏

 基調講演には、アドバイザーでもある細川氏が立ち、「地域からのまちづくり手法~市町村単位でのまちづくりを超えて」というテーマで、自治体の地域づくりがうまくいかない中で個人や団体がまちづくりに関わる重要性について語った。

 細川氏はこれまで、自治体コンサルタントの立場から、市の政策評価や基本計画作成や市民参加のワークショップなどに関わってきた。講演の中で、自治体によるまちづくりがうまくいっていない現状について説明。その原因を、自治体単位では、いま起きている課題に対応できなくなってきたこととし、そこで重要になるのが、問題を取り巻く個人や団体の存在だと語った。「いまの地域づくりには広域の人のつながりが必要。人々の思いや考えを論理的な発想で共有する必要がある。原因と課題を1つの流れで理解し、解決策も皆さんで共有することが重要だ」とまとめた。

次回の第3回会議は6月15日に行われる。今後は毎月1回の会議を経て、2013年1月の構想完成、発表を予定している。


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