【議員インタビュー/私はfacebookをこう活用している】
「グループ」機能を徹底活用して“バーチャル協議会”を(2012/05/31 政治山)
中妻 じょうた(なかつま じょうた) 1971年宮城県仙台市生まれ。早稲田大学卒。ネットワークエンジニア、ITセキュリティエンジニア、ITコンサルティングなどに従事。その後、民主党衆議院議員・長妻昭事務所にて、1年半ほどボランティアやアルバイトとして働く。2011年4月、板橋区議会議員選挙に初当選。現在、1期目。
板橋区議会議員 中妻じょうた氏
中妻じょうた議員のフェイスブック活用が本格化したのは昨年の東日本大震災がきっかけだった。以前、IT技術者をしていたこともあり、早くからSNSを利用してきた中妻議員だが、フェイスブック上のある「グループ」に参加したことで、その“力”をまざまざと感じることになる。
その「グループ」とは、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(http://fumbaro.org/)。被災地支援を目的としたこのグループに参加し、ボランティア活動の相談や打ち合わせなど、さまざまに活用されるフェイスブックを見てその有効性を認識し以後、継続して利用しているという。
「それまでのSNSは、意思表明した人だけが参加できる“手挙げ方式”でしたが、『グループ』をつくって人を巻き込んでいくことができるのがフェイスブック。『ふんばろう東日本支援プロジェクト』は、急速に拡大して参加者が約2,000人という規模になる中で意見を集約しなければなりませんでしたが、フェイスブックを使ったことでいろいろな問題を解決することができたのです」
また、今年の5月、中妻議員が被災地復興支援に向かう際に、フェイスブック上で「一緒に行きませんか?」と同行を呼びかけたところ、これまで交流のなかった人から「初めまして、一緒に行きます」と返事があったという。その後、待ち合わせ場所や日程など、すべての打ち合わせをフェイスブック上で行い、最初に呼びかけてから打ち合わせが終了するまで4時間しかかからなかった。「このスピード感が、フェイスブックをはじめとするソーシャルメディアの威力ではないでしょうか」
「協議会」「委員会」に最適なツール
以降、自身も「グループ」機能を活用し、プロジェクトを推進している。例えば、中妻議員は現在、地元・板橋区高島平の問題を議論する「高島平プロジェクト連」というグループを立ち上げている。高島平は今、高齢化とそれにともなう単身高齢者の問題を抱えている。中妻議員はフェイスブックにグループをつくり、こうした問題に危機意識を持っている地域の方々を集め、議論や解決に向けた話し合いを行っているのだ。
「いろいろな問題を解決するには、常時、議論できる場が必要です。時間や場所などの制約がなく、かつ、本人性が高くパブリックな議論にも適したSNSとして確立してきているフェイスブックは、協議会や委員会を運営するには最適なツールだと思います」
「グループ」には、内容だけでなく参加者の情報も外部にわからない完全にクローズドな会議ができる機能がある。中妻議員は、「途中経過を見せるべき、オープンな議論が必要なテーマがある一方、クローズドな話し合いをしたい場合もあります。フェイスブックの機能の中でも、この『グループ』が一番“らしい”使い方だと思います」と語る。
政治の世界に積極的に取り込んでいくべき
インタビューの最後に中妻議員は、フェイスブックを含めたネットの活用についてこう語ってくれた。
「今後、本当の意味での民主主義を実現するうえで、ICT(情報通信技術)の利用は必須だと思っています。それは、そこにはすでに、さまざまな人が参加する言論空間が形成されていて、そこに参加しないということは、民意をつかめていないということになってしまうからです。そういう意味からも、時間や場所を選ばずコミュニケーションや合意形成ができるインターネット、例えばフェイスブックは今後、政治の世界に積極的に取り込んでいく必要があると思います。今後、若い世代も積極的に政治議論に参加してほしいと考えているので、もっと身近に感じてもらえるようにフェイスブックを活用していくつもりです」
関連リンク
板橋区議会議員 中妻じょうた ウェブサイト
中妻じょうた氏のフェイスブックページ
特集:ネット選挙
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