【議員インタビュー/私はfacebookをこう活用している】
「情報」だけでなく、「広がる」「つながる」も重要な機能(2012/05/31 政治山)
初鹿 明博(はつしか あきひろ) 1969年4月15日生まれ。東京大学法学部卒。衆議院議員・逢沢一郎秘書を経て1997年東京都議会議員選挙に28歳で初挑戦、惜しくも次点。その後、民主党代表・鳩山由紀夫秘書を経て、2001年東京都議会議員選挙に32歳で初当選、2005年、36歳で2期目当選し、2009年には衆議院議員選挙に40歳で小選挙区にて初当選する。現在、民主党東京都第16区総支部・総支部長。
衆議院議員 初鹿明博氏
「2010年9月ごろ、米国に住んでいる友人が日本に帰ってきたときに教えてもらったんです。フェイスブックは、ユーザーが実名で顔写真も登録しているので、今までのSNSと違っておすすめだって」
2010年9月ごろというと、日本ではmixiやツイッターが全盛で、フェイスブックはまだそれほど広まっていない時期だ。しかし、世界ではユーザー数が5億人を超え、アクセス数がGoogleを超えるなど、急拡大の真っ只中にいたころである。初鹿明博議員は友人に「米国では、ツイッターよりフェイスブックの方が流行していて、これからはフェイスブックの時代」と教えられたのだという。匿名性の高いツイッターに不信感を抱いていた初鹿議員は以後、フェイスブックを活用していくことになる。
「政治家は、直接会う人よりそうでない人の方が多いので、自分のイメージをどう伝えていくかが重要です。フェイスブックは、政治家としての自分と、プライベートの自分を両方見せることができます。家族で出かけたときの話や趣味の話、自分が好きな音楽のユーチューブの動画を掲載したり、といった使い方ができる一方、政治活動の報告もできます」
ただ、政治や政策の話ではやはり、反応が少ないという。初鹿議員が、なぜ反応がないかをいろいろな人に聞いてみたところ「政治の話は、自分の意見が一般的な意見なのか、的外れでないか確信が持てないので、書き込めないらしいのです。実名で恥をかきたくない。しかし、ツイッターは匿名なので書き込めるみたいですね」。初鹿議員のフェイスブックでは、コメントの量が多くなるのはやはり、プライベートの話をしたときだという。
「イベント」も“ならでは”の使い方
とは言え、政治や政策の話に反応が少ないのは、それが“論”の場合。フェイスブックの特性を生かしたライブ感のある政治活動には大きな反響がある。
初鹿議員は今年5月、とある駅で始発から終電までの19時間半、駅前街頭活動を行った。その際、事前にフェイスブックの「イベント」で告知。そこには「応援演説や差し入れ待ってます」「激励まってます」などの文章を添えた。その結果、支援者や地方議員など40人もの方々が集まってくれたという。
当日は、応援が来るたびに、差し入れられた物と一緒に写真を撮ってフェイスブックにアップ。リアルタイムで更新されるフェイスブックを見て、さらにコメントや応援が増えるという好循環が生まれた。この日、1日だけでまったく知らない十数人から友だち申請があったという。こうした使い方も“フェイスブックならでは”と言えるだろう。
フェイスブックは「人と会うためのツール」
初鹿議員が地元で12年間続けている飲み会がある。従来は事務所のビラに案内を載せていたが、去年の秋からフェイスブックでも案内を出すようにした。その結果、フェイスブック経由で毎回、5人程度が新規で参加してくれるようになった。また、参加してくれた人同士がフェイスブック上で友達になり、さらに輪が広がっていった。
さらに、今年4月から学校での武道必修化に伴い、柔道の事故が問題になったが、初鹿議員は地方議員にも声をかけ、この問題についての勉強会を開催した。その際、フェイスブックで「イベント」を立ち上げ呼びかけを行ったのだ。その結果、これまで会ったことがない議員も勉強会に参加してくれただけでなく、勉強会後もフェイスブックにその感想を書いてくれた議員もいたという。
初鹿議員は、フェイスブックを「人と会うためのツール」として捉えているという。それは政治家として人と会うことを大切にし、「会わないと、その人のことがわからない」という考えもあってのことだ。フェイスブックをただの情報発信するだけのツールではなく、“広がり、つながっていく機能”を活用することこそ重要なのだ。
関連リンク
Official Web Site - 衆議院議員 初鹿あきひろ
初鹿明博氏のフェイスブックページ
特集:ネット選挙
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