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政治山調査特別編

被災地生活状況調査レポート

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、発生から4カ月以上経った現在でも、被災地に多大な影響を及ぼしている。被災地の一つである宮城県石巻市では、被災している自宅に戻り、避難生活を続ける住民が多く存在する。そのような自宅避難をする住民に対し、市は災害救助法に基づく食糧支援を行い、毎日約8,400食分のお弁当を配給している。水道や電気といったライフラインがほぼ普及しているにも関わらず、未だに被災地で災害救助法に基づく食糧支援が必要とされるのは何故か?私たちはそこに大きな問題が隠れているのではないかと考え、その背景を明らかにするために、住民の生活実態調査を実施した。本調査は、株式会社パイプドビッツが運営する「政治山」の調査特別編として、政治団体「日本一丸」代表の大西恒樹のコーディネートと石巻市で活動中のボランティア「チーム王冠」の協力によって実現した。

1.調査目的
東日本大震災で家や家財に被害を受けた世帯の、家計と生活の実態を把握することを目的に調査を行った。

2.調査の方法
調査対象:宮城県石巻市渡波地区(一部大街道地区を含む)で、調査実施時期に主に自宅で生活している世帯。
調査方法:調査票を世帯ごとに直接配布し、3~5日後に回収した。
調査期間:2011年6月25日~6月30日
回収状況:配布数 750、有効回答数 530
分析対象:530世帯、1,844人

1.住居の状況

調査対象世帯の住居の種類と、地震による損壊状況を調査しました。

1-1.住居の種類と損壊状況

1-1.住居の種類と損壊状況

調査対象地域の住居の種類は、持ち家が85.8%、賃貸が12.3%です。また、87.1%の世帯が全壊、または半壊認定を受けた家屋で生活を続けています。

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2.生活インフラの状況

調査対象世帯の、ライフラインの復旧状況について調査しました。

2-1.上水道、下水道、電気、ガス、固定電話の復旧状況
2-2.生活必需品の保有状況

2-1.上水道、下水道、電気、ガス、固定電話の復旧状況

ライフラインの復旧状況を見ると、上水道と電気が8割以上、下水道とガスが6割以上使用可能となっています。最も使用可能世帯が少ないものが固定電話でした。

※固定電話を、もともと所持していない場合も使用不可に含む。

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2-2.生活必需品の保有状況

調査対象地域では、携帯電話以外の生活必需品を、3割以上使用不可または保有していない状況です。
特にエアコンは、81.6%が使用不可または保有していないという結果でした。

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3.雇用の状況

調査対象世帯の、震災前と後の就業形態別の人数を調査しました。震災前後の雇用状況を比較します。

3-1.震災前後の就業者数の増減

3-1.震災前後の就業者数の増減

調査対象地域では就業者が、震災前の865人から572人に34%減少しました。

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4.収入の状況

調査対象世帯の1カ月の収入について調べました。また、震災前後の変化をレポートします。

4-1.収入総額の変化
4-2.震災前後の世帯収入
4-3.震災前後の1人当たりの収入
4-4.震災前後の世帯収入の変化

4-1.収入総額の変化

※震災前後の収入額のうち、どちらかが未回答の世帯(32.1%)を除きました。下図は360世帯の収入総額です。

調査対象地域では収入総額が、震災前の13,293万円から7,341万円に44.8%、6,000万円近く減少しました。

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4-2.震災前後の世帯収入

震災前後の1カ月の世帯収入額の変化を見ると、平均約17万円減っていることがわかりました。

下のグラフは不明・未回答(32.1%)を除く360世帯の収入額別の世帯数の変化を表しています。収入がない世帯が8.7倍に増えています。

また20万円以上30万円未満を境に、30万円以上の世帯が減少し、20万円未満の世帯が増加しました。

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4-3.震災前後の1人当たりの収入

※震災前後の就労人数と世帯収入のいずれかが不明な世帯(49.8%)は除きました。n=266です。

震災前後の1カ月の1人当たりの収入の
変化を見ると、平均5万円以上減っていることがわかりました。

下のグラフの収入額別世帯数の変化を見ると、10万円以上の世帯が減少し、10万円未満の世帯、特に収入がない世帯が増加しました。

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4-4.震災前後の世帯収入の変化

震災の前と後の収入の変化を調べました。
全体の約半数、回答があった世帯の約7割で収入が減少したことが分かりました。

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5.支出

調査対象世帯の1カ月の支出とその構成を調べました。

5-1.世帯支出
5-2.支出構成

5-1.世帯支出

調査対象世帯の1カ月の支出は、10万円以上20万円未満の世帯が26.0%で最も多く、次いで20万円以上30万円未満の17.9%でした。30万円以上支出がある世帯が13.1%あります。

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5-2.支出構成

支出未回答(28.3%)を除く世帯の支出構成を見ると、最も割合が高いのは食費の22.1%、次いでローン返済の18.5%、光熱費の11.7%でした。この3項目が支出の半数を占めています。

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6.収支

調査対象世帯の1カ月の収支を調べました。

6-1.世帯収支

6-1.世帯収支

1カ月の収支が赤字となる世帯が全体の3分の1、回答があった世帯の過半数を占め、そのうちの2割が10万円以上の赤字となることがわかりました。

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