未来の都知事は誰に? 主要立候補予定者が激論
「東京都知事選挙公開討論会」開催(2012/11/27 政治山)
東京都知事選挙(29日告示、12月16日投開票)への立候補表明者を招いた「東京都知事選挙公開討論会」が27日、東京・港区のニコファーレで開催された。当日は政治ジャーナリストの角谷浩一氏がコーディネーターを務め、出馬を予定している猪瀬直樹氏、宇都宮健児氏、笹川尭氏、松沢成文氏(五十音順)がパネリストとして登場し、13年間の“石原都政”の総括をはじめ、オリンピック招致や新銀行東京などの争点について、活発な議論が行われた。
パネリストたちは笑顔を見せつつも、緊張した面持ちで登場。15分遅れで猪瀬氏が到着すると、白熱した議論が飛び交った。まずは自身が立候補した理由について問われると、松沢氏は「これまで地方議員・国会議員・県知事を経験してきた。県知事時代には、首都圏全体をよくするために『首都圏連合構想』を提言した。東京は日本一の都市であり、東京圏は世界一の大都市圏。東京のマネジメントをできれば、世界でも通用する。大きな影響を与えていきたいので立候補した」と語り、笹川氏も「東京は世界一の街だけど、課題が多い。国会議員を23年、大臣もやった」と経験をアピールした。
続いては宇都宮氏。「日弁連の会長在任中に東日本大震災が起き、被災者の支援・救済に奔走した。石原都政以降、貧困の差が激しくなってきた。人に焦点を合わせた政策になっていない。脱原発を東京から。ほかの地方自治体にも影響を与える」と意気込むと、猪瀬氏は「宇宙から夜の地球を見ると、電力のおかげで都市部が明るい。その電力が危機。だから東電を改革する。東京を人が輝く都市にしたい」と意欲的に話した。
その後、石原都政の点数を聞かれた候補者たちは「70点以上」(笹川氏)、「10点」(宇都宮氏)、「50点」(松沢氏)、「点数は言わない。(副知事だった)自分に点数をつけることになるから」(猪瀬氏)と、13年を振り返った。
具体的には「ディーゼル自動車の規制は非常によかった。新銀行東京に関しては最初から反対。金融業に手出しするべきではなかった」(笹川氏)、「尖閣諸島購入や新銀行東京など、『上から目線』。解決しないままの退陣は問題だ」(宇都宮氏)、「国政に物申したのは評価すべき。都庁の改革をしなかったのはマイナス」(松沢氏)など、客観的な意見が聞かれた。
2020年のオリンピック招致に関して、笹川氏は「何としてでも招致したい」、松沢氏が「大賛成」、猪瀬氏は「当たり前に賛成」とポジティブにとらえる一方、宇都宮氏は「東京を直下型の地震が襲う可能性も指摘されている」として、反対の立場を取った。
この討論会は、立候補予定者から「本音の政策」を引き出し、有権者に政治をより身近に感じてもらう目的で、公益社団法人・東京青年会議所が主催。都知事選としては、今回で4回目の開催となる。都知事選へは、今回参加した4名のほか、雄上統氏、トクマ氏、中松義郎氏、マック赤坂氏、吉田重信氏(五十音順)が立候補を表明している。
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