【速報】猪瀬直樹氏、都知事選出馬表明(2012/11/21 政治山)
現東京都副知事の猪瀬直樹氏が21日、東京・新宿区の東京都庁記者クラブで記者会見し、東京都知事選(29日告示、12月16日投開票)へ出馬することを表明した。猪瀬氏は、石原慎太郎前都知事の辞任を受け知事公務を代行しており、石原氏から後継指名を受けている。
猪瀬氏は会見の中で「東京都民の安全・安心を守るために、日本そのものを東京から支えていく。その重責を担っていく決心をした」と出馬の理由を説明。地方分権や老人福祉など、石原都政の継承を基本路線とすることを明らかにした。
キーワードは「東京国」
会見で猪瀬氏は「東京は1つの『国』であると思っている。総務省では都道府県を地方公共『団体』と言っているが、実情は地方『政府』。東京が自分たちの権限を持ち、地方分権の先頭に立つ必要がある」と、東京が「日本の心臓」であることを強調した。
さらに「大切なのは、東京都を経営・改革する『マネジメント力』。政策はFacebookやツイッターなど、SNSで都民に伝えていく。(大震災など有事の際は)決断が大事。国は何も決められない。東京は決断し突破し解決する。この力を『東京国』が示すことで、日本を変える。都民の安心と安全を築き、首都圏全体の『グレーター・トーキョー』を考えながら、この国を支えたい」と、意欲を語った。
都内を走る地下鉄は現在、「東京メトロ」と「東京都交通局」によって運営されている。猪瀬氏はここにも言及。「地下鉄(の運営)を一元化する。例えば(メトロと都営が乗り入れる)九段下駅。ここには壁があり、利用者にとっては乗り換えに不便。こういったものを取り払いたい。料金体系も1つにしたい」と語った。
「お年寄りと若者の孤立を解消させたい」
「福祉に関して石原都政は冷たい、という印象があるが、これは誤解」と語る猪瀬氏は、福祉に対して「認可保育所、認証保育所も作った。特別養護老人ホームもグループホームも増えたが、まだまだだと思う。高齢者が共有スペースを持った介護がいつでもできる『ケア付き住宅』を4,000戸作った。2013年には1万まで増やし、お年寄りが孤立している状態を解消したい」と成果をあげた。
また、若者の雇用に関しても、「仕事が見つからない若者は、ひとり暮らしのアパートで孤立している。シェアハウスを広げ、みんなでワイワイできる場所にしたい。ハローワークを国から都に移管させ、都の職業訓練・紹介をマッチングできる状態で、若者の雇用を促進させたい」との計画を明らかにした。
今回の都知事選はすでに、自民党と公明党が猪瀬氏支持を決めており、日本維新の会とみんなの党も支援する方向で調整している。都議会最大会派の民主党は自由投票となる模様。都知事選は21日現在、前神奈川県知事の松沢成文氏や前日弁連会長の宇都宮健児氏、元科学技術担当相の笹川尭氏など、猪瀬氏を含め9名が立候補を表明している。選挙スケジュールは、11月29日告示、12月16日投開票。
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猪瀬氏は1946年11月20日生まれの66歳。70年に信州大学人文学部卒業後、出版社勤務。72年から明治大学大学院で日本政治思想史を研究後、執筆活動を開始する。2007年4月から地方分権改革推進委員会。同年6月、東京都副知事に就任した。
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