トップ    >   記事    >   港区長選、記号式投票で実施

港区長選、記号式投票で実施(2012/06/07 政治山)

 任期満了に伴い6月10日に投開票が行われる港区長選では、投票用紙に印刷された候補者名の上欄に丸印のスタンプを押す「記号式投票」が採用される。これまでは、選挙人が投票用紙に候補者の名前を記入する「自署式投票」だったが、今年3月に条例を制定し、今回の区長選から記号式投票となった。記号式投票の導入は東京23区では初めてで、東京市部では過去に小平市、青梅市、三鷹市で採用されたが、現在は行われていない。

 今回の施策は、有権者の利便性を向上し、無効票を減らすことが狙い。区選管によると、従来の自署式だと高齢者や障害のある人が苦労され、書いてもらっても読み取れずに無効票になるケースがあるという。また、疑問票や無効票が少なくなって開票作業が円滑になり、人件費削減につながることを期待している。

記号式投票で使用するスタンプ記号式投票で使用するスタンプ
(赤坂の模擬投票所で撮影)

 記号式投票を体験してもらうために、区選管は4月23日から5月26日まで、選挙啓発キャラクター「めいすいくん」のイラスト3種類を候補者に見立て、区民に投票してもらう模擬投票を実施した。模擬投票に参加した、赤ちゃんを抱いた若い女性に感想を聞くと「子どもを抱いていたり、買い物の荷物を持っていると、投票用紙に名前を書くのが大変。(スタンプは)書くよりは楽に投票できる」と話していた。

 区選管に寄せられた感想も「簡単」「早く投票ができる」など、よい反応が多かったという。中には、「選挙は大切なものだから自分で名前を書きたい」との声や、「間違えた場合はどうするのか」という質問もあった。押し間違えた場合は、記載台に用意されている鉛筆で、誤った○に二重線または×を書き、別の候補者に○をすれば有効と判定する。

 区選管ではほかにも、イベントや花見会場で体験投票を実施したり、区内すべての保育園、幼稚園に出向き、保護者である子育て世代の若い有権者に説明するなど、周知活動に力を入れている。こうした記号式投票のキャンペーンにより、区長選の日程を周知し、投票率の向上につなげるのが狙いだ。ここ数回の港区長選は20%台の低投票率が続いており(前回25.75%)、告示後も選挙ムードを盛り上げるため啓発を続けるという。

 区長選には、無所属新人で政治団体「港民主区政をつくる会」事務局長の根本正史(38)=共産推薦=と、無所属で3選を目指す現職の武井雅昭(59)=民主、自民、公明、社民推薦=、無所属新人で自営業の後藤輝樹(29)の3氏が立候補している。

 投票は10日午前7時~午後8時、区内41カ所で行われ、期日前投票は4日から9日までの午前8時半~午後8時、各地区総合支所と台場分室で実施する。なお、記号式投票は10日の投票日当日のみ実施され、期日前投票や不在者投票は自署式で行われる。

関連リンク
港区長選挙 候補者情報
港区議会(東京都)平成24年第1回定例会
港区長選挙における記号式投票に関する条例(新規)
港区長選挙について(港区選挙管理委員会)


ページトップへ