オープンデータ活用、オープンガバメントについて識者を招き勉強会開催(2012/07/09 政治山)
個人や企業の利用を目的に広く一般に公開されている「オープンデータ」の活用をテーマにしたセミナーが5日、東京・港区の株式会社パイプドビッツ本社で開催された。セミナーのタイトルは「オープンデータ活用によるクラウド新市場への挑戦」。クラウド活用事業者らで構成される情報交流プラットフォーム「クラウド・ジャパン・イニシアティブ」の主催で開催された。会では、国際大学グローバル・コミュニケーションセンター主任研究員で内閣官房IT戦略本部電子行政タスクフォース委員も務める庄司昌彦氏と、Georepublic Japan社代表の関治之氏による講演や対談が行われ、オープンデータに関する国の施策や海外事例が紹介されるとともに、ビジネス活用についても議論が交わされた。
オープンデータとは、多くの個人や企業が自由に利活用すべく、広く一般に公開されている調査データ等のことだ。現在、省庁や自治体などの統計データを自由に利活用できるよう透明性を高める「オープンガバメント」が注目されており、アメリカでは政府の行政管理予算局が主導で取り組んでいる「Data.gov」など先進的な事例がある。
第1部は、「オープンデータと日本政府のIT基本戦略」と題した庄司氏の講演が行われた。同氏は、日本は情報インフラ整備が世界最高水準に達しているが、情報の利活用によって恩恵が国民に行き届いていないという現状認識を述べ、そのうえで、政府が現在策定を進めているIT戦略「電子行政オープンデータ戦略」案の概略を説明。欧州の市場規模や活用事例などを交え、オープンデータ活用の現状を解説した。
第2部では、「オープンデータ活用による新たなクラウドビジネスの創出」というテーマで、庄司氏と関氏の対談が行われた。関氏から冒頭、オープンデータの1つであり、道路地図などの地理情報を誰でも利用できる「オープンストリートマップ」を活用した事例や、自身が関わった震災情報サービス「sinsai.info」の紹介があった。その後、庄司氏と関氏が今後のオープンデータ活用への期待やビジネス市場の展望などを対談形式で語った。
国際大学グローバル・コミュニケーションセンター主任研究員の庄司昌彦氏
Georepublic Japan社代表の関治之氏