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まだ遠い?ネット選挙解禁 国会議員、市民が議論
第2回「OneVoiceサミット」開催
(2012/08/22 政治山)

各党国会議員と有識者によるパネルディスカッション

 国会議員や有識者らを招いて「ネット選挙解禁」に関する課題を共有、議論する第2回「OneVoiceサミット」が8月21日、東京都の衆議院第一議員会館内で開催された。今回は民主、自民、公明、みんな、社民の各党から国会議員7人が参加。「ネット選挙解禁のため、今必要なこと」をテーマとしたシンポジウムが行われ、さまざまな意見交換が行われた。主催は、若者の政治参加推進とネット選挙解禁を目指す「OneVoiceキャンペーン」。

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 シンポジウムに参加した国会議員は、民主党の石井登志郎衆議、鈴木寛参議、津村啓介衆議、自民党の平将明衆議、公明党の石川博崇参議、みんなの党の松田公太参議、社民党の福島みずほ参議の7人。同キャンペーン発起人の原田謙介氏と選挙プランナーの松田馨氏をモデレーターに、5月23日に行われた同様のイベントでの議論をふまえて、ネット解禁をめぐる動きや今国会での法案成立の可能性などについて約2時間にわたって議論を行った。

左から石井登志郎衆議、鈴木寛参議 左から石井登志郎衆議、鈴木寛参議
(登壇者の写真は主催者より提供)

 石井氏は、前回のイベントから今回までの法案審議の進捗について、「1票の格差問題や衆議院の定数削減の問題が進まず、根詰まりを起こしている」と説明。同キャンペーンが目指す、今国会でのネット選挙解禁法案の成立については、「可能性はまだある。来週までに1票の格差の問題が解決に向けて動きがあるので、それが済めば一気に進む可能性がある。解散があるという状態なら審議に時間はかからない」と述べた。

 一方、平氏は、「優先順位が高くないので難しい。前回の参院選での各党の動きを考えると動きが加速する可能性もあるが、今国会で成立する可能性はゼロに近い」と厳しい見通しを語った。

 松田公太氏は、海外滞在時に日本でネット選挙が解禁されていない現状を説明すると「『どこの国の話だ、ネットが普及していないのか』と驚かれる」という話を紹介し、日本がネット選挙において後進的であると指摘。また、みんなの党が6月に提出したネット解禁法案について言及し、「この法案には、ネット選挙だけでなく、ネット投票も法案に入れた。スマートフォンを使った投票の仕方など研究し取り入れたい。皆さんにも今から考えてほしい」と述べた。

左から松田公太参議、津村啓介衆議 左から松田公太参議、津村啓介衆議

 鈴木氏は、同活動の賛同数としてFacebookのいいねが約7,000であることについて、「数が少ない。国会の中での優先順位が低く見られる」と、前回のイベントから国政が動かなかった理由を「数の問題」だとした。

 石川氏は、「国民がどれだけネットを活用しているのか、シニアの政治家の認識がまだまだ足りないと思う。『高齢者に情報が行かない』と言う人がいるが、現実は、高齢者も携帯を使って情報を入手している。嫌悪感を持っている議員を説得することが重要」と語った。

 津村氏は、候補者の目線と前置きをしたうえで、「大きなメリットが感じられない。使えないのは12日間だけで、どうしても使いたいかというとそうではない。報道もされるので十分、選挙情報が流れてきているのでは」と消極的な意見。この意見には、松田公太氏は「選挙期間中だからこそ注目が集まる」とし、鈴木氏は「マスメディアを通さず自分たちの言葉で伝えたい。Twitter、Facebookは双方向的なツールであり、チャンスだと思う」と反論があった。

左から平将明衆議、福島みずほ参議、石川博崇参議 左から平将明衆議、福島みずほ参議、石川博崇参議

 福島氏は、ネット選挙のデメリットとして、なりすましや誹謗中傷などによる名誉毀損が起きたときに、すぐ回復できないことを挙げ、これを防ぐために罰則をしっかり行うことが重要とした。一方、メリットとして、「選挙のときの課題設定は単純化されるが、原発問題など、メディアと国民の間に意識のギャップがあることがある。メディアが設定したものではない課題が、ネットを使う人々の間で自由に議論される可能性があるのでは」と指摘した。

 会ではパネルディスカッションに先立ち、財団法人尾崎行雄財団主任研究員の谷本晴樹氏から、One Voiceキャンペーンの現状と国会議員を対象に行ったネット選挙の賛否について報告があった。


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