山口から「エネルギー維新」目指す 飯田哲也氏が知事選出馬会見(2012/06/29 政治山)
「脱原発」を表明しているNPO法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏は29日、山口県知事選(7月29日投票)へ向けた出馬記者会見を永田町・参議院議員会館で行った。この中で飯田氏は、脱原発と地域のエネルギーのあり方を変える「山口から『エネルギー維新』を目指す」を主要政策として県知事選を戦う方針を示した。
飯田氏の出馬会見は、22日の山口県内に次いで2度目。同氏は冒頭、昨年の東京電力福島第一原発事故とそれに対する国の対応を目の当たりにして、「国のエネルギー政策を変える使命があると決意した。明治維新を生んだ山口から変えていきたい」と出馬を決意した経緯を説明した。当初、周りから出馬を止められたと言い、「気持ちの99%は止めたほうがいいと思っていた。しかし、1%の狂気にかられ、『歴史を変える可能性のある挑戦をしてみよう』と思い立った」と述べた。
選挙戦の状況について、幕末の第二次長州征伐の山口県での呼び方である「四境戦争」になぞらえて、「選挙では、対抗馬を応援している自民・公明、岩国基地を守ろうとする防衛省・米国、エネルギーシフトに反対している経産省や経団連、そして自民党の守旧派という4つの敵と戦わないといけない」とした。県知事としての政策は、「エネルギー維新」や教育改革、経済活性化などの指針を示す「山口八策21」を近日まとめる予定だという。
脱原発の動きとしては、山口県上関原発、愛媛県伊方原発、佐賀県玄海原発の3原発が近隣にあり、事故があれば大きな影響があるとして、県知事になれば反対に向けて各電力会社などと議論していくと語った。
飯田氏は今年1月から6月まで大阪府と大阪市の特別顧問を務めており、大阪維新の会との関係について問われたが、「どの政党にもこちらから支持を依頼しない。また、どの政党からの支持も受け入れる」とすべての政党に門戸を開くと表明した。
会見には社民党衆議の阿部知子氏、みんなの党衆議の山内康一氏が駆けつけた。
山口県知事選は7月12日告示、29日投票。これまで、元国土交通審議官の山本繁太郎氏、民主党へ離党届を提出した衆議の高邑勉氏、元県職員の三輪茂之氏が出馬表明している。