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西日本シティ銀行のQB第一号ファンドから融資を受けた現役大学生 (2017/3/15 nezas)

福岡県福岡市に本店を構えている西日本シティ銀行は、2004年に西日本銀行と福岡シティ銀行が合併し創立した地方銀行です。福岡を中心に全国188店舗(2016年3月31日現在)を展開しています。

西日本シティ銀行は、以前から地域と共栄に対する取り組みを行っている銀行で、現在では地方創生プロジェクトチームを設置しています。今回は、そんな西日本シティ銀行が出資したQBキャピタルから、融資を受けた現役大学生をピックアップして紹介します。

福岡の街と空

資本力の強化を目的とした合併から誕生した西日本シティ銀行

西日本シティ銀行では、中小企業に対して、販路拡大や海外進出、M&Aや事業再生など、経営支援を意欲的に行っています。強大なライバルとして福岡県内にふくおかフィナンシャルグループが存在していますが、西日本銀行と福岡シティ銀行が合併したことで、西日本シティ銀行は資本力でも他銀行に引けをとらなくなりました。

2015年度のデータでは、全国の地銀の総資産額では第7位、貸出金では第5位となっています。また、九州・沖縄エリアで、企業がメインバンクとして利用している数は第1位となります。2つの銀行がお互いの資本力の強化を行うために合併し、地元重視の経営スタイルを通す積極的な姿勢をとっているのです。

ファンドからの融資は地域経済の活性化を目標

西日本シティ銀行は、産学連携機構九州と連携して地元九州を中心に経済の活性化を目的にQB第一号投資事業有限責任組合(QB第一号ファンド)を設立しました。

QB第一号ファンドの存続期間は10年間とされており、ファンド総額はおよそ30億円前後になっています。

このファンドは、地域の事業会社からも出資をしており、基本的に大学の研究成果をもとにベンチャー企業の立ち上げを支援しています。地元の大学の研究成果から社会に還元できる仕組みをつくり、新しい産業を生み出すなど地方の活性化を促しているのです。

銀行、産学連携機構、大学、研究機関、企業が一環となって行うこのプロジェクトはこれまでになかった新しい考え方です。

現役大学生のローン・ジョシュア氏とは?

QB第一号ファンドの初のプレ投資案件の出資対象になったローン・ジョシュア氏は、九州大学の現役大学生であり、高効率の風力発電機の開発のためにベンチャー企業「日本風洞製作所」を立ち上げました。

日本風洞製作所は、新エネルギーや産業技術総合開発機構から2016年度の「シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援助成金」に選ばれました。

西日本シティ銀行は日本風洞製作所に対して、風力発電などを利用した再生可能エネルギー導入は、日本のエネルギー自給率向上が考えられるなどの将来性とコスト・効率・機動性を考えた風力発電ができるなど評価しています。

また、地元九州の大学の研究成果に積極的にサポートを行い、ベンチャー企業を育てることで、地域経済が盛り上がるなどの期待も寄せられています。

QBファンド第一号ファンドでよりよい地域活性化を

ジョシュア氏が2016年10月に立ち上げた日本風洞製作所は、ジョシュア氏が特許を持つ風力発電機に後付けすることができる二重プロペラ化アタッチメントを開発しています。

この設備は、二層のプロペラで風を受けることにより低コストかつ発電量を倍増することができ、日本や台湾など土地が狭くて新しい風力発電機の設置が難しい地域の需要拡大を見込んでいるそうです。

西日本シティ銀行は、地域の大学の研究に積極的に投資することで新たな可能性を生み出そうとしています。将来、日本風洞製作所が世界的な企業に育ったら、それに付随する地元の企業も大きく成長するかもしれません。今後も西日本シティ銀行の活動に注目が集まることでしょう。

提供:nezas

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