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第8回マニフェスト大賞

枠にとらわれない選挙啓発 (2013/12/9 広島県選挙管理員会事務局 成末一勝氏)

関連ワード : 公務員 参院選 広島 知事選 

地方自治体の首長・議会の先進的な取り組みや、地域主権を支える市民の活動を表彰する「第8回マニフェスト大賞」のグランプリと各最優秀賞の発表が11月1日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズで行われ、8部門16作品が表彰されました。政治山では受賞された皆様から、取り組みの概要や経緯、今後の展望などを寄稿いただきます。今回はマニフェスト大賞優秀ネット選挙・コミュニケーション戦略賞審査員特別賞受賞の広島県選挙管理委員会です。投票に行かない、興味がない若者の目をどうひきつけるかが課題の選挙啓発活動。カギはみんなで参加する「仲間意識」でした。

◇        ◇        ◇

取り組み概要

 平成25年7月21日に実施された第23回参議院議員通常選挙において、低迷する若者の投票率の向上を図るため、インターネットやSNSを活用した次のような参加型の臨時啓発を行いました。

  • 通行人が踊り出す「フラッシュ・モブ」

    通行人が踊り出す「フラッシュ・モブ」



    フラッシュ・モブ(※)を素材としたプロモーション動画(2分)など4本の動画を作成し、YouTubeで配信し、斬新でインパクトのあるダンスを若者に拡散し、興味を惹きつける。
    ※「フラッシュ・モブ」・・・突然集まった群衆が、公共の場所で共通の行動を行い、数分後には何事もなかったかのように立ち去るパフォーマンス。
  • 県選挙管理委員会のフェイスブックやツイッターのアカウントを作成し、県のアカウントと連動してフラッシュ・モブや選挙に関する情報を随時提供し、情報を拡散する。
  • 興味を持った若者が選挙期間中に参加できるフラッシュ・モブを企画し、参加してもらい、参加した仲間意識を醸成し、選挙の話題を取り混ぜて投票率の向上を狙う。

ポイント

 今回の選挙の啓発プランでは、独創性やインパクトを求めるため、提案基準を見直し、若者の関心を呼び起こすような企画の提案を求め、これまでの選挙管理委員会の枠にとらわれない啓発事業を試みることとしました。

  • 啓発事業の選定までの工夫
    今夏の参院選投票啓発ポスター

    今夏の参院選投票啓発ポスター



    啓発事業の見直しの過程において、(1)企画コンペの選考委員でもある広島県明るい選挙推進協議会委員との意見交換、(2)広島大学の学生とのワークショップ形式での意見交換、(3)県広報課の広報アドバイザーからSNSの効果的な活用方法のアドバイスなどの聴取を行い、意見を集約しました。
    集約した意見は企画書の基準表やコンペ説明会において例示・説明して事業提案を求め、選考に際しては、求める内容の項目の評価に高めのウエイトを置いた結果、フラッシュ・モブを素材とした啓発事業の選定となりました。
  • 啓発事業の実施に当たっての工夫
    動画撮影には、市内のダンススクールの全面的な協力を得て、スクールの若者やインストラクターにボランティアとして参加してもらい、総勢200人によるプロモーション動画の作成が可能となりました。
    選挙管理委員会が立ち上げたフェイスブックやツイッターに対しては、動画撮影に参加してもらったタレントさんのほか、これら200人の若者にも参加を呼びかけました。
    また、動画のほか選挙啓発に関する内容を、多数の閲覧者がいる県のフェイスブックやツイッターアカウントでも発言してもらい、補強して広く拡散を行いました。

その後の展開

 同年11月10日に実施された広島県知事選挙の啓発活動では、参院選で使用したキャッチコピーとオリジナルソングを引き続き使用する一方、取り組みを県内各地へ拡大すべく、新しく創作した「ご当地ダンス」を県内13カ所で撮影し、その動画をインターネットで公開しました。

 動画には、県内各地のゆるキャラや、観光アシスタント、市や町の職員の方にも登場いただき、地域色豊かな映像による親しみを感じやすいプロモーションとなりました。

 広島市内で行われたイベントにおいては、この動画を用いた「ご当地ダンス総選挙」(模擬投票)も実施しています。

 今回も選挙期間中に参加できるフラッシュ・モブを企画・実施しましたが、県内の大学からもダンス動画を投稿していただくなど、参院選の取り組みをさらにブラッシュアップした内容となりました。

◇        ◇        ◇

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