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NYの視点:今週の注目、トランプ演説、ベージュブック、米GDP、イエレンFRB議長  株式会社フィスコ 2017年2月27日

関連ワード : アメリカ 金融経済 

今週は一般教書演説にあたるトランプ米大統領の議会演説で、税制改革、規制緩和など景気刺激策の具体策が果たして提示されるかに注目が集まる。税制改革では国境税の行方に焦点が集まる。ライアン共和党下院議長が推進する国境税に関しては、一部共和党議員も懸念を表明。米政権の税制改革案の策定で指揮をとっている国家経済会議(NEC)のコーン委員長は共和党が推奨している国境税を支持しない姿勢を示した。一方で、トランプ米大統領は何らかの形の国境税を支持する方針を示している。期待通りの詳細が発表されないと、失望感から、ドル売り、リスク回避の動きに拍車がかかる可能性がある。

また、米国経済の実態を見極めるため、耐久財受注、10−12月期国内総生産(GDP)改定値、2月ISM製造業景況指数に注目。さらに、次回3月連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる米連邦準備制度理事会(FRB)が公表するベージュブック(地区連銀経済報告)で全米の経済活動や雇用が順調な拡大を続け、物価、賃金圧力の上昇が示されると、3月の利上げ確率が上昇する可能性がある。

10−12月期GDP改定値は+2.1%と、速報値の+1.9%から上方修正される見込み。1月PCE(個人支出)コアは前年比で+1.8%と、12月の+1.7%から上昇が予想されている。FOMCが目標とする2%に近づいていることが確認されると、これも利上げ確率を引き上げる材料となる。そのほか、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長やフィッシャー副議長が講演を予定しており講演内容に注目される。イエレン議長は半年に一度の金融政策や経済に関する議会証言で、雇用やインフレで一段の前進が見られれば次回の会合での利上げが適切であるとの見解を示した。また、労働市場を過度にひっ迫させたくないとの考えも明らかにし、タカ派色を強めている。一方で、今週公表された1月31日、2月1日開催分のFOMC議事録では、上方リスクに関する言及と同時に、新政権による予想されている政策への不透明感やインフレ急伸のリスクは低いとの見方が示され、緊急的な利上げの必要性は示唆されなかった。


■今週の主な注目イベント

●米国
2月

27日:1月耐久財受注:予想+1.9%(12月‐0.5%)カプラン米ダラス連銀総裁、カルステンス・メキシコ中央銀行総裁がイエレンFRB議長、ラガルドIMF専務理事と会合、ムニューチン米財務長官との会合の可能性も

28日:10−12月期国内総生産(GDP)改定値:予想+2.1%(+1.9%)トランプ米大統領が合同会議で、演説、国内総生産(GDP)発表、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が経済見通しに関して講演、ブラード・セントルイス連銀総裁が講演

3月

1日:1月PCEコア:予想:前年比+1.8%(12月+1.7%)、2月ISM製造業景況指数:予想56.0(1月56.0、)米連邦準備制度理事会(FRB)がベージュブックを公表、カプラン米ダラス連銀総裁がディスカッションに参加

2日:メスター・クリーブランド連銀総裁が講演

3日:2月ISM非製造業景況指数:予想56.5(1月56.5)イエレンFRB議長がシカゴのエグゼクティブクラブのイベントで講演。エバンス・シカゴ連銀総裁、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁がシカゴ大パネルディスカッションに参加、カプラン米ダラス連銀総裁が司会、フィッシャー米FRB副議長が講演、

●英国
27日:上院(貴族院)でメイ首相がEU離脱手続き開始の通告を承認する案の詳細に関する協議を開始

●地政学的リスク
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ

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関連ワード : アメリカ 金融経済