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京都党「女子会」開催!当事者の声が聞こえにくい女性層に女性議員がアプローチ。

社会課題ひとつとっても女性の観点は一味違う “ほんと”のところを見過ごすことなかれ

 気づけば大学を卒業して10年。民間企業で2年半勤めた後に議員となり8年目に突入し、女性の社会進出という社会傾向の波に私も乗っています。

 女性議員と言えば“子育てママを応援”といった政策を軸にしているイメージも強いかもしれませんし、ついつい周囲からもそう求められがちですが、実際には女性議員も男性同様に関心の矛先は様々で、私自身も中学時代に経験した公立高校の受験システムに疑問を持ったことがきっかけで政治の世界を志し、この7年間も教育の選択肢拡大、ムダな支出の削減、都市計画、交通などに視点を当て議会活動を行ってきました。女性議員=女性の権利、男女の公平性を主張する、という枠にはとらわれたくなかったのかもしれません。

京都市会議員/地域政党京都党幹事長 江村理紗さん

 とはいえ、まだまだ日本社会では珍しい30代の女性議員として、近い世代の女性に立ちはだかる社会的課題にいつかは腰を据えて考えてみたいとは感じています。例えば、晩婚、未婚化や出生率低下の要因は、一般的に女性の社会進出によると結び付けられ、産まない女性側を問題視する論調がどうも目立ちますが、本当にそうだろうか、と。女性が結婚を意識する年齢が後退しているのと同じくらい、男性もますます意識する年齢は上がっていないか、また、男女問わず“結婚・子育て・マイホーム”という意識が薄れているといった価値観の変化も要因として大きいのではないか、と疑問を抱いてしまうのです。

 女性の生き方の選択肢が広がったことによる要素はもちろんあるものの、いかんせん男性の価値観の変化も大きな要因として見逃せず、課題の背景には生き方の多様化という壮大なテーマが結びついていることが見過ごされているように感じずにはいられません。このように、男性中心社会のなかで一般的に受け止められている様々な事柄にも、もっと女性の視点が盛り込まれれば、捉え方が変わるものがいくつもあるように思います。

女性のリアルな声の受け皿。議員による女子会を発足!

 そうした中で、今の社会課題へのリアルな女性の感覚・思いを聞いてみたい、との考えに至りました。よくよく考えてみると、実は私の所属する地域政党京都党は平均年齢34歳の青年政党で、男性2人、女性2人とこの業界にしてはかなり先進的な女性比率50%のチームです。

 せっかくこういった環境に恵まれている中で、何かやらないわけにはいきません。相手が女性議員だからこそ話してもらえることがあるかもしれない。そこから、女性議員2人で女性の本音を聞かせてもらう会をやってみようと京都党女子会プロジェクトをスタートさせる運びとなりました。

 京都党女子会の概要はざっと説明すると下記の通りです。

≪京都党女子会の概要≫
これまで3回実施
2018年も3回実施予定(1回実施ずみ)
15人程度までの少人数制
参加者は女性に限定
年齢不問(20~30代の参加も多いです)
これまでのテーマは「仕事と子育ての両立」「出産後のサポート」「産休・育休の取得とサポートする組織の心得」など。

 いざ実施してみると、次々と出てきます。いろんな生のお声。

 「保育園は年中入所が基本になっているけれど、入所と退所の時期はもっとフレキシブルにしてほしい」「産後の女性は社会と切り離され孤立しやすい。市でいろいろやってくれてるようだけど全然情報が入ってきてない」などなど、聞いたことのないお話から、聞いたことがあるようなお話でも実体験を踏まえて伺うとまたイメージも変わるものまで話は途切れません。

 また、こんな話も印象的でした。「管理職の女性比率を上げるための女性優先昇格はもっと丁寧に考えるべき。適正かどうかは冷静に見るべきなのと、男性女性の得意分野だって差があるのでそれも踏まえるべき」、権利に対して中立的な見解も目立ちます。

 他にも、「社内の人間から体を触られるなどのセクハラを受けたが、男性の上司ばかりで相談できなかった」「取引先の方から執拗に個人的な連絡が来たので困り果てた末に職場の男性に相談すると、『それは君に何らかの原因があるのでは?』と言われひどく落胆した」といったいわゆる#MeTooでも話題となったような話もごく身近に起こっていることが伺えます。このあたりの悩みは男性には縁遠く、男性にとっては対応が難しいものかもしれません。

京都党女子会の様子

女性の声から見えてくる地方政治の転換期

 全体を通して感じるのは、「働きたい人」「仕事よりも家庭に重きを置きたい人」「結婚願望はない人」「結婚願望はあるけど子どもはいらない人」など、生き方の価値観が本当に多様化しているということです。

 カップルや夫婦という当事者間になると、結婚や子どもを望むかどうかについて意見が分かれた場合、いずれの選択においても望まない人の意見の方が優先されがちなことは課題ですが、個々人が自由に選択できるという意識は確実に高まっています。

 結婚や子育てに限ったことではなく、多様化する生き方に応じて、行政サービスの制度設計なども実情に応じた柔軟な転換が求められるようになっています。産業構造や人口規模、年齢分布などあらゆる条件が異なる各都道府県においても、国が定める制度に一律に倣うのでは当然ミスマッチが起こります。

 その地域ならではの柔軟な方針を打ち出せる地域政党の役割が、各都市に不可欠であることも一層感じ取る次第です。あらゆる社会的動向に対する“女性の観点”でのアプローチをお聞きし、女子会の意義を深めていきたいです。

 女性議員だからこそ得られるお声、地方議員だから寄り添える生活に密着した課題、地域政党ならばこその国の枠にとらわれず地域の事情に沿って向き合える政策。多くのヒントをいただきながら、女子会プロジェクトはまだまだ進化を続けます。

著者プロフィール

江村理紗(えむら りさ)[公式ホームページ]
京都市会議員 地域政党京都党幹事長
同志社大学政策学部(一期生)卒。学生時代に議員事務所の門をたたき学生秘書を務めた経験。東京にて商社勤務を経て、2011年京都市の統一地方選に出馬し、25歳で初当選。現在2期目。地域政党京都党幹事長、京都党市会議員団団長を兼務。

江村りさ政策ページ http://えむらりさ.jp/policy/

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