記事

2019年の統一地方選に向け、地域政党による政治塾が果たす役割とは

組織や人気者に依存しない人材育成

 昨年来、私個人で「市民選挙研究会」という会を主宰し、月に1~2回のペースで例会を開催しています。コンセプトは、いささか大上段ではありますが、「組織や人気者に依存しないでも当選できる人材の育成」です。参加者の負担にならないよう固定の会費は設けず、参加した際に2500円(お茶代込み)をお支払いいただくスタイルにしています。会場は新宿区役所横の会議室です。

 朝夕駅に立ったり、ポスティングをしたり、ポスターを貼ったり、訪問をしたり、SNSを活用したり、というベーシックな作業は国政政党の議員や候補者も(個人差はあれ)実施しています。したがって、「市民選挙研究会」では、それらベーシックな作業のノウハウもお伝えしつつ、最も大事なこと、つまり「土俵(選挙の争点)は自分でつくること」「(良い意味で)独自性を発揮すること」「(主張に)エッジが効いていること」の3点を繰り返しています。

 しかしながら、理屈では分かっていても実践できるかとなるとそう簡単ではありません。自治体ごとで市民性も違いますし、抱える課題も違います。したがって、どの市にも通用するような「模範解答」はないのです。ここは自分の頭でアイディアを生み出すしかありません(ここで大事なのは、そうはいっても、市民ニーズがあるからこそ、アイディアが生きてくるわけであって、選挙のためのアイディアではダメだということです。そこの履き違えはしないでいただきたいものです)。

一人でも声を上げ続けることが大事

 私は現在7期目ですが、1期目のときから継続して取り組んでいる課題は大きくは2つです。1つは「市役所人件費問題」です。小金井市は過去の異常な正規職員大量採用で、人件費が極めて多くなってしまっており、私は1期目から「誰よりも厳しく」その削減を求めてきました。市民の皆さんと一緒に「東京都職員の手当より小金井市職員の手当が高いのは変だ」として引き下げを求める直接請求署名運動をしたこともあります。

 もう1つは、「市庁舎問題」です。私が初めて議員になった平成5(1993)年度から、小金井市は民間ビルを第二庁舎として賃借しました。多くの市民が「無駄遣いだ」と厳しく批判しました。私は1期目から「最短距離で賃借庁舎から脱却」を求めてきました。庁舎問題でも、市民の皆さんと一緒に直接請求署名運動に取り組んだことがあります。私のように組織も知名度も資金もない議員が当選を続けられているのは、おそらくは、しがらみのない立場で、潜在的な市民ニーズに応える政策を打ち出し、時に「実力行使」「腕力勝負」で行政を屈服させてきたことへの評価なのかもしれません。先月(2018年3月)には、私が「一人」で提出した条例修正案(市職員のボーナス引き上げを削除する修正)が委員会でも本会議でも可決され、ボーナス引き上げが中止になりました。

自由を守る会は「一人親方」のゆるやかな連合体

 さて、話は地域政党による政治塾という本題に戻ります。そもそも「地域政党」とは、「全国政党」「国政政党」に対する概念であり、日本国内の一部分をエリアとして活動する政党ということです。私は東京の地域政党・自由を守る会と、小金井市の地域政党・情報公開こがねいの双方に所属しております。

 自由を守る会は、その名前の通り、所属議員が自立して各市区で活動しています。言ってみるならば「上意下達」のピラミッド型政党ではなく、「一人親方」のゆるやかな連合体としての性格を有します。前回2015年の統一地方選では江東区と武蔵野市で新人を当選させることができました。昨年は葛飾区議選で現職と新人が1名ずつ当選、今年2月の町田市議選でも現職と新人が1名ずつ当選できました。次回2019年の統一地方選ではさらに仲間を増やしたいと考えております。

 そのためには、選挙実務や政策立案能力をしっかり身に着けられる場も必要だと考えております。地域政党や無所属というのは、組織票という「下駄」がありません。したがって、組織票に「あぐら」をかいている国政政党候補を撃破するには、彼らをはるかに上回るサムシング(何か)をしなければなりません。それは、闇雲に駅前でパフォーマンスしたり、闇雲に見知らぬ人の家を訪ねて回ることではありません。

地域政党の政治塾は「虎の穴」

 地域政党や無所属で当選をめざすというのは、実に険しい道のりです。昨今、「いったいこの人はどうして選挙に出たいのだろうか?」と問いたくなる新人が多いのも事実です。何をやりたいのか、全然伝わってこないのです。「党畜」であれ何であれ、議員という職業にさえなれればいいなら、あえて地域政党や無所属を選ぶ必要はありません。あらゆる「つて」を手繰って国政政党から出た方が楽だと思います。地域政党や無所属での当選は決して楽ではありません。

 地域政党による政治塾は、つまり、決して楽ではない選挙を勝ち抜ける「本格派」をどう育成するか。まさにアニメ「タイガーマスク」の「虎の穴」のような場にならざるをえないということだと思います。私どもは、そういう「本格派」になりえる人材を求めています。なぜなら、そういう人材でなければ、古い体質の議会や、ムダ遣い体質の行政を変えることができないと思うからです。

 私たちの挑戦にご一緒していただける方は、ぜひご連絡ください。

著者プロフィール

渡辺大三(わたなべ だいぞう)小金井市議会議員
東京の地域政党・自由を守る会 幹事長
小金井市の地域政党・情報公開こがねい 共同代表

watanabedaizou[アット]gmail.com
※[アット]の部分を@に変更してください。

関連タグ

関連記事
地に足の着いた地域政党を支援―サミットへの参加は10政党に
「政局だけ、理論だけはダメ!今こそ、即戦力の地域政党を!」
条例制定を力に――政策提言できる議会へ
「新庁舎建設凍結と第二庁舎取得問題」で感じた議会の役割とは
統一地方選挙の重要な争点~人口減少と公共施設の更新をどう考えるのか
新着記事