第41回 「共感」つながるまちに、議員として汗のかきどころ  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第41回 「共感」つながるまちに、議員として汗のかきどころ (2013/6/19 八戸市議会議員 石橋充志/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第41回は、青森県八戸市議会議員の石橋充志氏による「『共感』つながるまちに、議員として汗のかきどころ」をお届けします。

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B級グルメ・ゴールドグランプリ「せんべい汁」の八戸市

八戸市議 石橋充志

八戸市議 石橋充志

 八戸市は、太平洋に臨む青森県の南東部に位置し、面積は305.40平方キロメートルで、現在の人口は約24万人です。

 臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、このため、優れた漁港施設や背後施設を有する全国屈指の水産都市で、代表する魚といえば水揚げ日本一の「いか」です。また、北東北随一の工業地帯が形成されています。

 八戸市も東日本大震災により、臨海部を中心に多大な被害を受けました。現在は、「あおもり生業(なりわい)づくり復興特区」の推進など、創造的復興に向け官民一体となって取り組んでいるところでです。

 そうした中、2012年のロンドンオリンピック女子レスリング競技で、八戸市出身の伊調馨選手がオリンピック3連覇という偉業を達成し、同じく小原日登美選手も見事、金メダルに輝いたほか、高校野球では光星学院硬式野球部が3季連続準優勝と甲子園での快進撃を見せました。またご当地グルメの祭典「B−1グランプリin北九州」で、八戸せんべい汁研究所が悲願のゴールドグランプリを獲得するなど、復興を後押しする非常に明るい話題も続いております。

 加えて、このたび5月24日には、八戸市の国名勝・種差海岸が三陸復興国立公園に編入され、八戸市のみならず、三陸全体の誘客と震災からの復興につながる新たな一歩を踏み出したところです。ぜひ、皆さんお越しください。

継続的な市長マニフェスト評価への取り組みについて

八戸市議 石橋充志

八戸市議 石橋充志

 私は、第4回マニフェスト大賞「最優秀アイデア賞」をいただきました。市長のマニフェストを市民が理解し評価することは、専門性も必要なことから難しい面があります。

 そうしたことから、まずは議員個人で、どれだけ事業が進んでいて、どれだけ市民に有益に事業実施がされているかなど、各担当課に伺うなどして評価・採点を行い、議会で報告する取り組みを行いました。

 その取り組みが評価され受賞いたしましたが、それ以後も、現在2期目の小林真・八戸市長の2年目、3年目のマニフェスト評価を、継続的に議員個人として、議会で公表させていただいております。2013年11月には市長の任期が満了となりますので、総括的な評価を行いたいと思っております。

地域版フィールドアライアンスへの取り組みについて

 東日本大震災の発生から、この3月で2年が経過しました。八戸市も臨海部を中心に津波に襲われ、多数の家屋や工場、漁船が被害を受け、被害額は約1,200億円を超えるものでした。

 一方、この震災から2年前の2009年元旦、当市は、河川から浄水場に水を運ぶ「導水管」が破損する大規模断水事故が発生。八戸圏域7市町村9万世帯以上に影響が及び、通水までに6日、完全復旧まで20日以上を要するという、前例のない事態に見舞われました。

 おとそ気分は一気に吹き飛び、住民は学校に設けられた給水所に寒風吹く中、ペットボトルやポリタンクなどを持って長い列に並んだのです。

 聴覚障害者には情報が届かず、また体力の弱い高齢者などの災害弱者への支援のあり方といったセーフティネットとしての地域力の大切さが浮き彫りとなりました。

 以後、行政と一体となって対応を進める中で、このたびの震災発生直後より高齢者への対応など、地域の中でもその教訓が生かされた部分は大きかったと感じています。

 そうした地域の力は、共助として今後、より必要とされてきている中で、当市では町内会加入率は低下傾向にあり、断水事故当時の町内会加入率61.5%、それ以後も町内会離れ傾向にあり、震災を経験した現在は60%を切っています。

 残念な数字であります。しかし、八戸市は夏の「八戸三社大祭」や、冬の「えんぶり」など、祭りも盛んなことから、地域コミュニティの底力を持っていると信じています。

 現在、ビジネスにおいて、企業や個人の持っているフィールドを共有・拡充し、ビジネスを活性化させる「フィールドアライアンス」という考え方があります。

 この考え方は、まちづくりにおいても共通していると思います。教育・観光・産業・福祉など、それぞれに今まで培ってきた「場所」=「フィールド」を持っています。

 その各々のフィールドに固執するのではなく、市民1人ひとりが、企業が、行政が、同じ八戸市というフィールドに立つパートナーとして、持っているフィールドの関心をつなげ、異業種の人の輪を広げネットワーク化、アライアンス(複数の主体間のさまざまな連携・共同行動)ができれば、八戸市版フィールドアライアンスとして、まちづくりに新たな力を発揮できるものと思っています。

 お互いの価値を発見し、将来的な共感を高めてゆくこと。効果的に取り組む中で、共感からお互いに協力しあい共に汗する共汗へと。そして共汗から共に歓びを共有できる共歓へと、「共感のサイクル」のようにつながっていくことで、ワクワクするような元気なまちに、そして元気な地域になるものと思っています。

 しかしそれには、政治、行政が担うべきまちづくりの責任は極めて重いものがあります。

 市民の皆さんに目指す方向性を示しながら、市民と行政がパートナーとして共感できるよう連携を促していきたい。地域力をさらに高めるために、議員としてより汗をかいて、まちづくりに積極的に取り組んでいきたいと思っています。

著者プロフィール
石橋 充志(いしばし あつし):1961年7月28日生まれ。青森県八戸市出身。埼玉工業大学環境工学科修了。田名部匡省元衆議院議員~元参議院議員秘書を12年間、その後土木建設会社を経て、2003年八戸市議会議員選挙で初当選。3期目として活動中。
facebook:青森県八戸市議会議員「石橋充志」のfacebook
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