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アマゾンでお寺さん?大きく変わりつつあるお葬儀のあり方 (2017/4/19 JIJICO

アマゾンでお寺さんが呼べる!その背景は?

『アマゾンでお寺さんが呼べる!!』

葬儀社としてこの話題を聞いた時に、やはりそうなって行くのかと感じました。葬儀業界ではすでに、「イオン」が参入しており、その前にもインターネットでお客を集客して葬儀を紹介する「小さなお葬式」などがすでに知られているからです。

十年前ごろはまだ家族葬という名前も出始めで、多くのお葬儀は地域の相互扶助でとり行われていました。町会長が葬儀委員長をして、町会の班長が受付、隣近所の人が炊き出しをするなど、地域全体でお葬儀を行うことが当たり前でした。

しかし今現在、遺族の方と話していると、町会長が誰なのかも分からない、班長も分からないというケースがほとんどです。地域でのつながりが本当に薄くなっていくのを感じます。地域とのコミュニケーションによる情報の代わりに、頻繁に目にするようになったのがネットからの情報です。

寺院

ネットからの情報により葬儀も変化

ネットでは知らないことを聞く恥じらいがなく、知りたい情報を打ち込みクリックするだけで情報を得ることができます。実際お客様から聞くのが、お寺さんに質問があっても『こんなことをお寺さんに聞いていいのだろうか?』『この年齢で仏事ごとを知らない事が恥ずかしい』など聞きたいことが有っても聞けないということです。それに、お寺さんの敷居の高さを感じる人も多いと感じられます。

最近では核家族、共働き世帯の増加で昼間留守の家が多く、お坊さんに毎月来てもらい参りをしてもらう家も少なく、何年も檀家のお寺と連絡をしていないとなると、さらにお寺との心の距離を感じるようになります。

家族葬が増え自由に葬儀が出来るように

そして葬儀に関しても、お寺を呼ばないという選択肢が出てきました。お客様から聞かれるのが『お寺さんを呼ばなきゃだめですか?』『お通夜をしなかったらどうなるのですか?』などです。そう聞かれると私たちは本当に困ります。葬儀社側にはその答えはないからです。

このような質問が出る背景には、最近は家族葬が多くなり地域の人の目も気にしなくなり自由に葬儀が出来る。だったらお寺さんも呼ばなくて良いのではないか。でも呼ばないのもダメな気がするという考えだと思います。

実際のところ家族葬ではお話を聞いていくと、お寺さんをお呼びするケースがほとんどです。直葬では火葬場にお寺さんに来ていただき短いお経を頂くケースと、お呼びしないケースとがあります。

今現在、遺族がインターネットでお寺さんを選んでお呼びすることはほとんどありません。家族が亡くなってまず、葬儀社を選んで連絡をします。そのあと、お寺さんをネットで調べるよりも葬儀社と付き合いのあるお寺さんをお呼びする方が早いからです。

葬儀のあり方はこれからますます多様化へ

法事などは日程に余裕があり、事前に準備をする事が出来るので、ネットで手配をした話を聞いたことはあります。ネットでお寺さんを選ぶことには賛否両論あると思いますが、ご家族が葬儀や法事でお寺さんとの御縁を求めて葬儀社に聞くなり、ネットで探すなどつながりを探しているのも事実です。

そしてこれから、より便利な世の中になり、仏教離れが進むと、お葬儀のあり方も多様化していくと思います。しかし、ネットでお坊さんを呼ぶ事が、手軽にお寺とのつながりを作るツールになり、仏教離れを食い止めるきっかけにもなると思います。法要の時にお寺さんをインターネットで呼べる時代になってきました。その流れは地域とのつながりの希薄化、核家族化などで檀家としてお寺との付き合いが減って来たからだと思います。
便利な一面、お寺さんとの付き合い方が変わっているのでしょう。

提供:JIJICO

著者プロフィール
山田 泰平/葬儀業

山田 泰平/葬儀業
大阪セレモニー
故人と親しかった人たちだけが集まって少人数で営む家族葬や、故人やその家族の要望に沿った葬儀を提案する。 【経歴】 関西福祉大を卒業後、老人福祉施設で介護の職に就く。 中国・上海師範大に留学し、帰国後、母親の愛子さんが創業した大阪セレモニーで葬儀業を始める。

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