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北川正恭氏インタビュー

2013年東京都議会議員選挙の展望~夢を実現するための政策を都民に届けよう~ (2013/6/14 早大マニフェスト研究所)

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東京都議会議員選挙(都議選)が6月14日に告示されました。日本の首都である東京は、地方に比べ有権者数や財源なども多く、都議選は従来から注目を集める選挙なのですが、今回は参議院議員選挙の前哨戦との位置づけもあり、注目度は高くなっています。ここでは、早稲田大学マニフェスト研究所所長で早大大学院教授の北川正恭氏に、都議会への期待と選挙の展望について聞きました。

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議会の存在価値を示そう

早稲田大学マニフェスト研究所所長の北川正恭早大大学院教授

早稲田大学マニフェスト研究所所長の北川正恭早大大学院教授

 「東京都知事の氏名は知っていても、自分が在住している区の区長の氏名は知らない」「ましてや、都議会議員や区議会議員なんてまったく知らない」「百歩譲って、身近な議員の氏名は分かるが、議会という単位での活動はまったく見えない」と話すのは若い学生達。ですが、学生に限らず、このような意見を他方でもよく聞きます。

 東京は、地方に比べて人口も多く財源も豊かで、民間団体や個人の活動も多様かつ積極的です。いい意味で自立している街と言えます。自分達で課題を解決する手法を持っていますから、住民が議員との接触する機会や、議会へ要望をすることは希薄になっています。ましてや、都議会は、過去の都政で都知事の提案事項に対して否決をしたことがほとんどない追認議会ですから、その存在意義は皆無と言われても仕方がありません。これならば、都民から「都議会は不要だ」と言われかねません。

 しかし、地方自治法では、議会の方が首長よりも圧倒的に強い権限を持っています。それは「議決権」です。議決をするために議会は調査分析し、議員間で話し合いのプロセスを経て結論が出されていきます。この議決を経たものでないと、首長は執行できないのです。

 また、議員が吸い上げてきた課題を解決するためには、新たに条例を作成したり、従来の制度などを修正していく必要もあり、この権限も議会は持っています。議会が本来の役割を果たせば都政はガラリと変わることでしょう。

夢を実現するための政策を聞かせてほしい

 都議選挙で、各候補者がどのような選挙を展開するのかを見ていますが、各政党支部の公約からは、都民に政策を届けようとする意識はほとんど伝わってきません。ならば、会派に所属している候補者は、政治活動期間や選挙期間中に有権者へ何を伝え、有権者と何を交わそうとしているのでしょうか。もちろん、議員個別の公約はあるでしょう。しかし、会派として、都議会として、何を実現しようとしているのかを同時に伝えることが肝要です。

 日本の首都である東京都をどのような街にしたいのか、議会として何を考えているのか、その夢を聞かせてほしいですね。そして、その夢を実現する手法や実行体制、財源など、すなわち具体的な政策を話していただきたいと思います。

 それら政策を都民へ分かりやすく伝え、情報を共有するための工夫に汗を流し、どうすれば都民とのコミュニケーションが得られるかを追求し、従来の選挙スタイルとは違う選挙を展開していただくことを期待しています。

 

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