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クイズで金融を学ぼう! 地銀が共催する『エコノミクス甲子園』 (2016/8/23 nezas)

関連ワード : 金融経済 高校生 

 全国高校生金融経済クイズ選手権『エコノミクス甲子園』は、2015年11月に第10回目が開催された。楽しみながら金融・経済を学べるイベントとして年々人気が高まり、第10回大会では約2,300人の高校生が熱戦を繰り広げた。

 地方大会や地区予選は、40を超える全国の地方銀行が主催している。高校生と地銀をつなぐ接点となっている『エコノミクス甲子園』とはどのようなものなのか、詳しく紹介しよう。

札を持つ女子高生

早い段階の金融知力アップが「生きる力」を育む

 お金を取り巻く環境が目まぐるしく変化するなかで、金融リテラシーの有無が個人の生活レベルに大きく影響することは、すでに社会に出ている大人は実感しているだろう。

 『エコノミクス甲子園』は、高校生が社会に出る前に金融・経済に関する理解を深めて金融知力を付けることを目的としている。

 現在の高校のカリキュラムにはない、金融の仕組みを学ぶ機会を提供し、より豊かな生活や社会をつくる行動を促すのが金融教育の考え方である。イベントを運営しているのは認定NPO法人金融知力普及協会だ。自分の価値観にあった人生をデザインできる力や、それを実現するための礎となる金融知力を磨くことを目的に、2006年度から『エコノミクス甲子園』を開催している。高校生が金融に興味を持つきっかけをつくる取り組みとして、全国の地方銀行と協力しているのだ。

優勝チームはニューヨーク研修旅行へ招待

 『エコノミクス甲子園』は参加無料で、同じ高校に通う2人1組のチーム編成が条件となっていて、まずは地方大会から勝ち抜いていく。参加エントリーをすると、事前学習用の教材が送られてくる。制作に協力しているのは、全国銀行協会や日本証券業協会、不動産証券化協会、日本損害保険協会など7つの団体と財務省および金融庁だ。教材のなかには「ライフステージで学ぶ銀行」、「ビギナーズのためのファイナンス入門」、「ローン&クレジットのABC」といった12の項目があり、幅広い知識をインプットする。金融・経済の仕組みだけではなく、時事問題や身の回りのお金の流れなど、大人でも簡単には答えられないような問題が出題される。さらに、地方大会では地元経済についての出題もあるため、自分が住んでいる地域に対する理解力も問われるのだ。

 金融というだけで堅苦しい印象があるかもしれない。しかし実際は、クイズ形式で勝ち進んでいく大会であり、会場は笑いが起こるなどの盛り上がりをみせ、高校生たちの熱気が溢れるイベントとなっている。

 地方大会で優勝したチームは、全国大会への出場権を獲得する。ちなみに、地方大会に参加できない場合は、インターネット大会も用意されている。

 激戦を勝ち抜いた優勝チームに贈られるのがニューヨーク研修旅行だ。現地で活躍している方へのインタビューや、経済に関する場所を見学し、世界の金融・経済に触れることができる。

9年間で参加者は20倍に

 第9回となった2014年度は全国40会場で開催され、出場校は401校、合計2,268人の高校生が参加した。2006年度の初回開催は出場校25校、参加者が99人なので、9年間で20倍以上に増加している。

 参加者からは、「自分のお金は自分で守らなくてはならないと思い知らされた」「経済がどのように動いているか読み解く力がついた」「経済に興味がわいた」といった声が寄せられ、楽しみながら金融の知識を得ているようだ。

 お金に振り回されるのではなく、「良き道具」として使えるようになるには金融知力は不可欠といえるだろう。金融・経済の知識を持った高校生が社会に出ることは、個人の生活だけでなく、地域や日本経済にも豊かさをもたらすといえるのではないだろうか。

提供:nezas

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