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「人々に民主主義の可能性と政府を信じて欲しい」FollowMyVoteが目指すブロックチェーン投票の未来 (2016/7/20 ビットコインニュース

ブロックチェーンを用いた投票システムに取り組むプロジェクトがまたひとつ立ち上がった。FollowMyVoteは、インターネットを通じた投票の透明性やセキュリティをブロックチェーンを用いて高めようというプロジェクトだ。

最近行われた日本の参議院選挙やイギリスのEU離脱を問う選挙でも、いまだ有権者は投票所へ行き投票用紙を提出しなければならない。開票作業も手作業であり、集計には時間も人件費も掛かる。今、なぜインターネット投票をしないのか。その理由はセキュリティにある。

FollowMyVote

従来のサイバーセキュリティにおいては、中央管理者をおいて管理をするのが一般的だ。しかし、中央管理者は単一障害点であり、ハッキングを受ければ投票結果が書き換えられる可能性がある。そして、この仕組みは内部からの不正にも脆弱であり、もし中央管理者が自ら不正を働けば容易に結果を書き換えることができる。このような問題から、投票は地域的に分散した人々による手作業という形で今までセキュリティが守られてきた。単一の組織によって一意にデータが書き換えられない方法のひとつは何か。つまり、分散型の合意形成による「中央の不在」を実現するブロックチェーンだ。

FollowMyVoteは「選択肢の自由を全ての有権者に届ける」がメインコンセプトで既存の選挙システムをより良いものにすることが目的で立ち上げられた。ブロックチェーン上のトランザクションを利用して投票を行うことで、不正行為を防ぐことができる。具体的な仕組みは次のようになる。有権者となるユーザーは、まずVootingBoothと呼ばれるアプリケーションをダウンロードする。次に、投票のホスト(地方自治体や企業、個人など)が要求する内容に応じた本人確認情報を提出し、取り決めに応じて本人確認を行う。すると、ユーザーは投票のキーとなるID Keyを取得できる。これを利用して投票を行うというわけだ。選挙など厳重なセキュリティが求められる投票においては、予め有権者の情報を政府は把握しているため、電子的な個人証明書に紐付けて予め発行しておくこともできるだろう。

またFolloMyVoteでは、複数に投票することもできるし、期限までなら投票先を変更することもできるオプションが備わっている。投票はすべてブロックチェーンのトランザクションという形で記録され、アプリ上で自身がいつ投票し、認証されかを確認できる。これらの投票はブロックチェーンに記録され公開されている一方で、本人以外には誰が投票したかが一切わからない。わかることは、投票数と投票先だけだ。

FollowMyVoteはは電子投票の可能性について次のように述べている。

「我々は、全ての有権者に民主主義の可能性や自分たちの政府を信じてもらいたい。また自分たちひとりひとりの声が国にとって重要なんだ。ブロックチェーンを使ったFollowMyVoteは正確に結果を反映し、有権者が自分の声が国に届いているかを確かめることができる」

電子投票が可能になり、スマホから投票ができるようになれば若い世代の投票率も上がるだろう。そして、より国民の民意を反映する選挙システムになる。若い世代の投票率の低さは常から問題になっており、これまでにさまざまのキャンペーンが講じられた。しかし、最も根源的な部分が解決されなければいつまでたってもこの問題が解決することはない。スマホから気軽に投票できるようになれば、今まで投票をしてこなかった人々にグンと近づく。

「投票をする」という行為が、日常生活の中の選択肢として現れるのだ。そして、選択できるようになれば、自ずと政治や政治家、そのマニフェストに対して関心を抱くようになる。FollowMyVoteのようなシステムが確立されることで投票を簡単にするだけでなく、選挙という行為自体をより意義のあるものにできるだろう。

提供:ビットコインニュース

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