マイナンバーカード申請4月までに1000万枚超へ―福田峰之衆議インタビュー  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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マイナンバーカード申請4月までに1000万枚超へ―福田峰之衆議インタビュー (2016/2/23 政治山)

1月からマイナンバーの運用が始まりました。マイナンバーは、フィンテックやIoT、ビッグデータなどIT技術を使った新ビジネスのプラットフォームの役割も期待されています。自民党マイナンバー制度利活用推進小委員会の委員長であり、IT戦略特命委員会の事務局長も務める福田峰之衆院議員(自民、3期)に、マイナンバーやIT革命の将来についてインタビューしました。

写真1 福田峰之衆議院議員

マイナンバーカード申請数は開始直後に住基ネット超える

政治山
マイナンバーの個人番号カード(以下マイナンバーカード)の申請状況は?
福田氏
現状約800万枚が申請され、年度内には1000万枚に到達すると思います。12年間で約600万枚が交付された住民基本台帳カードをすでに超えたことになります。
政治山
申請枚数としては想定外ですか?
福田氏
私たちが想定していたペースではありますが、システム上は想定外のことが起こってしまいました。カード管理のホストシステムに障害が一時的に発生し、一部の自治体でマイナンバーカードの交付が数十分滞ってしまいました。

2019年に8700万枚が目標

政治山
最終的には何枚が目標ですか?
福田氏
ロードマップでは2019年に8700万枚。大多数の国民に活用していただきたいと考えています。
政治山
マイナンバーの運用開始で様々なトラブルが起こるのではないかと心配されていましたが、大きな話題にはなっていません。
福田氏
マイナンバーそのものではありませんが、マイナンバーコンサルタントの名を騙り、「好きな番号に取り換えます」と言って近づく高齢者詐欺があると聞きます。そんなサービスはないので、十分に気を付けてください。

写真2 福田峰之衆議院議員

マイナンバーで利用できるサービスは3001超に!?

政治山
普及活動を行う予定は?
福田氏

カードを無理に勧めるのではなく、「持っているとこんなに便利」という魅力を付加することが重要だと考えています。

来年1月から自身の情報が端末で確認できるマイナポータルが始まります。マイナンバーカードのICチップで認証しログインできるマイページで、公的機関などの窓口にもなるサービスです。このサービスをいかに充実させるかがポイントだと考えています。

電子政府のインフラが整っているエストニアでは、IDカードを使ったサービスが官民合わせて3000あると言われます。私たちは後発組なので、3001はほしいですね(笑)。

政治山
身近なサービスの例をお願いします。
福田氏

引っ越しの経験がある方は分かると思いますが、名義変更や届け出など手続きが大変面倒です。金融機関や行政機関に住所変更手続きをしたり、電気・ガス・水道の停止と開始を伝えたり…これらの煩雑な作業を、マイナポータルの転出リストからチェックボックスを押して自動的に転出手続きが行われたら、大変に効率的だと思いませんか? 手続きの煩雑さで言えば、出産・子育てや転職、婚姻、死亡なども同様です。

特に、身内が亡くなって悲しみの最中に死亡届や口座名義の変更などの手続きをやるのは精神的にも辛いです。こうした手続きをPCやスマホなどの端末ですぐにできる機能があれば、非常に便利だと思います。

コンビニで住民票や印鑑証明交付が可能に

政治山
マイナポータルは2017年1月から運用開始ですが、年内に持っていると便利な機能は?
福田氏
身分証になるほか、コンビニエンスストアなどで全国どこからでも住民票や印鑑証明書を交付できます。これまでは平日の日中にお住まいの役所などに行かなければならなかったのが、会社や学校を早退せずに取得できます。すでにサービス開始している地域もありますが、各自治体の準備が整い次第、順次全国に拡大していきます。

写真3 福田峰之衆議院議員

政治山
マイナポータルの認証はどのように行われるのですか?
福田氏

端末にICカードリーダーを差し込んでマイナンバーカードのICを読み取り、暗証番号を入力してログインします。リーダーは各自で購入することになりますが、海外でも簡易なものが売り出されていますし、量産されれば数百円程度で購入できると想定しています。将来的にはかざすだけで読み取る非接触型のリーダーが主流になるのではないかと考えています。

もっと先にはスマホにマイナンバーカードの機能を持たせたいと考えています。すでにスマホのSIMカードにマイナンバーのICを書き込む研究を始めています。カードでもスマホでも、利用者が自由に選択できるインフラを整えたいと思います。

フィンテックとマイナンバーは相互補完

政治山
2016年1月、自民党FinTech(フィンテック)推進議員連盟の第1回勉強会が開催されました。委員長と事務局長はそれぞれ、IT戦略特命委員会と同じ平井卓也議員と福田議員です。党内でマイナンバー政策を推進してきたおふたりということで、マイナンバーとフィンテックは今後、密接に絡んでいくのですか?
福田氏

今後は一対の活動になっていきます。スピード感の早い世界なので、バラバラにしても政治対応できなくなりますからね。

マイナンバーはフィンテックとの相性が良いのです。金融関係に最も重要なのは本人確認。マイナンバーには公的個人認証がICチップに入っているので、今までのように銀行に出向いたり、身分証明書をコピーしたりする手間がいりません。

政治山
フィンテックでは仮想通貨も注目されています。
福田氏
ビットコインに代表されるブロックチェーン技術を用いた仮想通貨については、私が委員長を務めております党の資金決済小委員会で本人確認や資本規制などのルール作りを進めており、今国会での法律改正を目指しています。ルールのなかった業界に規制をかけるわけですが、一方で国のお墨付きを与える形になるわけですから、業界的には大きな前進と受け止められています。

2020年までに在外選挙にネット投票導入

政治山
マイナンバーが普及すれば、インターネット投票で選挙ができる日が来ますか?
福田氏
外国にいる有権者は、大使館や領事館で国政選挙に参加できますが、現実にはほとんど投票に行きません。場所によっては飛行機を使って投票所まで行かなければいけないからです。この状況を改善するために、2020年までにマイナンバーで本人確認をしてネット投票できる環境を作りたいと考えています。先ずは在外選挙で導入を図りたいと思います。

写真4 

政治山
障害者差別解消法が4月に施行されますが、ネット投票が国内でも整備されれば障害者にとっても投票の負担が少なくなるのでは?
福田氏
障害にも様々な状況があります。現在でも、病院内や郵便によって不在者投票をする選択肢があるので、ネット投票があれば更にいいのかどうかを検証する必要があります。

賠償金や養育費の逃げ得も許さない

政治山
昨年末、マイナンバーの連載をした際に、民事訴訟の賠償金や離婚調停での養育費不払いに泣く大勢の債権者を救済するために、逃げ得を許さないルール作りに期待すると影島広泰弁護士がおっしゃっていました。マイナンバー制度の役割としてぜひ追加して頂けないでしょうか?
福田氏
実はその議論はこれから始めようと思っている重要なポイントです。賠償命令を受けた債務者が口座を変更する…或いは引っ越して行方不明になってしまえば、裁判所も困ります。お金がなければどうにもなりませんが、あるのに隠している人がいるのであれば、マイナンバーを活用して被害者を救済したいと思っています。
政治山
一説には賠償命令の7割近くが支払われていないとも言われます。ぜひマイナンバーで公正公平な社会を実現してほしいと思います。
福田氏
マイナンバーにはまだ誤解が多いので、そうした役割があることも広く伝えなければならないと思っています。マイナンバーカードは持っていなければ意味がありませんが、「怖いからタンスの奥に仕舞っておこう」と考える人もいます。

「個人番号を記入したTシャツ作ります」は撤回

政治山
ネット社会で情報が氾濫し、個人情報漏えいを警戒する人も増えています。昨年9月の「週刊エコノミスト」に「自分の番号が入ったTシャツを作ろうと思っている。番号を知られても問題が無いということを自ら実践する」と書いてありましたが?
福田氏
この発言は、マイナンバー制度の導入を直前に控えて、マイナンバーを勤務先や金融機関に教えても大丈夫なのか、他人にマイナンバーを知られたら個人情報が漏れるのではないか、といった不安を解消したくて、『マイナンバーが他人に知られても直ちに個人情報が抜き出されるような問題が発生するわけではないので過剰反応しないでほしい』というメッセージを発信する趣旨で発言したものです。
政治山
Tシャツを作る、というのは少々言い過ぎかもしれませんね。
福田氏
自分の番号が入ったTシャツを実際作っていないし、これから作って、着る予定もありません。仮に、自分の番号が入ったTシャツを着て公衆の面前に出ていった場合は、マイナンバー法第19条の提供制限に違反する恐れがあります。この部分の発言については、比喩的な表現としても適切ではなかったと考えています。誤解を与え、多くの皆さんにご迷惑をかけたことをお詫びして、この機会に発言を撤回させていただきます。
政治山
マイナンバーは利便性や公平性をもたらすプラス面と、情報漏えいやなりすましが起こり得るマイナス面の両面あると思います。政治のリーダーシップでプラスを最大化し、マイナスを最小化する取り組みに期待しております。

聞き手:上村吉弘(うえむら・よしひろ)

福田 峰之(ふくだ・みねゆき)
1964年神奈川県生まれ。立教大学社会学部産業関係学科卒。衆院議員秘書、かながわ政治大学校卒業、横浜市議を経て、2005年総選挙で初当選し、現在3期目(比例南関東「横浜市青葉区・緑区」)。内閣委員会所属。自民党IT戦略特命委員会では事務局長のほか、資金決済小委員会やマイナンバー利活用推進小委員会など複数の小委員会で委員長を務める。