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議員からの年賀状はセーフ?年末年始に国会議員は何をしているのか (2015/12/30 政治山)

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今年も残すところあとわずかですが、国会議員はこの時期何をしているのでしょうか?

夜警や歳末イベントで地元愛をアピール

 人々が家にいることが多い年末年始。議員は地元愛をアピールする絶好のチャンスです。自治会などが主催する夜警活動やゴミ拾い活動、歳末助け合いイベントなどに参加し、住民との触れ合いを強調します。

 「火の用心」とは連呼しても、自分の名前を連呼するわけにはいきません。消防団員や町内会の住民から「あそこの先生が応援に来てくれた」と口コミで伝わるのを本音では期待しています。

握手

年末年始は議員にとって顔を売る絶好のチャンス

 都内であれば区議・市議や都議も選挙区で参加するので、かち合わないよう秘書などの調整力が求められます。国会議員の場合、地方議員よりもエリアが広いので、時には秘書や家族も駆り出して手分けして歳末警戒に当たります。

選挙運動でなく政治活動として挨拶回り

 また、1年間お世話になった後援会や地元の有力者、町内会の住民に挨拶回りをします。選挙運動としての戸別訪問は禁止されている(公職選挙法138条「何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない」)ので、後援会のパンフレットや活動報告書などを持参し、いざ疑いの目を向けられても政治活動であると説明できるアリバイを用意しておかなければなりません。

選挙区に自筆以外の年賀状は出せません

 禁止といえば、公選法は自筆以外の年賀状についても議員が選挙区の住民に出すことを禁じています(同法147条の2「答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、寒中見舞状、暑中見舞状その他これらに類するあいさつ状を出してはならない」)。喪中はがきも同様です。宛先だけ自筆にしても違反になるので、実質的に大量の年賀状は出せません。

 事情を知らない有権者から「あの議員は無礼だ」などと思われないよう、後援会の会報やホームページなどを通じて年賀のあいさつに代えるほかありません。

年始は新年会や賀詞交歓会などイベント盛り沢山

 年が明ければ、町内会の餅つき大会や地元消防団の出初め式、各種団体の賀詞交歓会、新年会などで顔を売るチャンスです。次回は1月4日から通常国会が開会するので、都内の賀詞交歓会は国会議員の出席も多いのではないでしょうか。有力議員の出方を伺いながら、イベントに参加するタイミングや出欠を決めることも、自身の付加価値を高めたり、有力議員との関係を築いたりするために大切な戦略となります。

政策よりも握手の数が選挙を左右する現実

 政治教育が行き届いていない日本では、政策能力の有無よりも足で稼ぐ政治家に票が集まりやすい傾向があります。年末年始は地盤を強化したい政治家にとっては絶好のチャンス。握手の数だけ支持が集まる傾向は、アイドルの世界と政治の世界で共通する部分があるかもしれません。なかなか進まない国会議員の定数削減や、LGBTへの差別発言など相次ぐ地方議員の不祥事を見ていると、政治や選挙のあり方に危機感を憶えます。

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