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【龍馬プロジェクトリレーコラム/若手政治家が考える「これが私の『志』」】

第25回 教育から政治家としての資質とレディネスを考える (2013/10/11 鳥越浩一/龍馬プロジェクト)

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「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムを連載しています。「これが私の『志』」の第2回は、北海道東北副ブロック長の鳥越浩一氏による「教育から政治家としての資質とレディネスを考える」をお届けします。

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北海道東北副ブロック長 鳥越浩一氏

北海道東北副ブロック長 鳥越浩一氏

 一世紀近くも前の講演の中ではありますが、マックス・ウェーバーがいうところの政治家の資質として、「情熱」「責任感」「判断力」が挙げられています。近現代の政治に見る変遷として、それらが著しく欠如している例も少なくないと誰もが感じるところでしょう。しかしながら、近年の社会情勢の変革とともに、有権者も政治家も意識が徐々に変わってきていることもまた、多くの方々が感じているであろうし、また、変わらねばならないという思いも高まるところであります。中でもこの龍馬プロジェクトに参加する面々の意識の高さは特筆すべきところであると自負するところでありますが、その健全な資質を決定づける要素はどこから来て、どうあるべきなのでしょうか。

 近年では、遺伝と環境の相互作用において人格が形成されるということで落ち着いているようですが、遺伝はともかく、後天的にそれぞれが育つ家庭、地域、学校などの環境によるところが最も影響するところでもあり、逆にそれは長く広い目で醸成されていくものでなければならないと思うところであります。

 では、そのような状況において、どこがどう作用していけば健全であるといえる環境を作り得るかを考えた場合、家庭においてはなかなかそのプライバシーに踏み込みにくく、また地域においては家庭の集合でもあり、改めて考えてみても、やはり学校を含めた教育環境を充実したものにしていくことが重要かつ最優先されるのではないかと考えます。

 私自身、教育の現場には学生時代より部活動指導を通じて触れる機会も多くあり、また、約20年前からは高校の非常勤講師や、大学では非言語コミュニケーション論の講師、PTA活動では幼稚園、小学校と会長を務め、それ故に広範囲かつ多くの教育関係者、教員の皆さんとも公私ともに関わる中で話したり感じたりすることですが、ある一定の教育学的要素においての成功例や問題点からなるスキルや経験に基づく教員資質の向上を図る取り組みがなされる中、教育を施す側に広く社会に順応した人格を形成するための社会経験が圧倒的に不足をしていることは事実として存在し、それを補うシステムが不十分であるという現状が続いています。

地域の子供たちと率先して行事へ参加する鳥越氏

地域の子供たちと率先して行事へ参加する鳥越氏

 事物の是非を判断するためには、学問的に体系付けられた、抽出的要素からなる知識の吸収だけではなく、より広範な経験からなるあらゆる多様性を感受することによって、その見識から導かれる選択が必要であり、それが可能である状況にできるだけ身を置き、教育に還元することが求められるのであり、そこから長い年月を費やして初めて健全な資質が醸成されるものであり、それが、政治家としても必要な資質となると考えるところであります。

 現実においては、政治家の多くが何らかの利害的誘因によりその立場に身を置かざるを得ないことが多く、また、特定の団体などの代弁者として存在するが故に多様的な和合よりも、限定された思考の中からその言動が行われる場面が多々見受けられます。

 これでは子子孫孫と受け継がれるべき、未来からの借りものであるともいえる今を健全な政策で導くことはできません。

 これらの現状を踏まえ、私は、健全な判断ができる人格資質の醸成ができ得るように教育の在り方から見つめ直し、家庭や地域社会が、そして世界がどうつながっているかを感じつつ生きることができる個人が、そして、少なくとも地球規模におけるより多くの多様性から政策を導くことができる政治家が育つよう取り組んでいきたい。

 遠回りであるかもしれませんが、それが私が政治家を目指した時の『志』であります。

著者プロフィール
鳥越浩一(とりこし こういち):1968年7月19日、北海道苫小牧出身。音楽学校を卒業後、トロンボーンプレイヤーとして活躍。父の逝去により鳥越漁業㈱社長就任、現在に至る。2003年苫小牧市議会議員初当選(2期)。2011年北海道議会議員選挙次点。苫小牧駒澤大学卒業、中央大学法学部中退(進学による)、北海道大学公共政策大学院卒業(公共政策学修士)。中学・高校一種教員免許(英語)。高校、大学の非常勤講師等歴任。元、苫小牧港管理組合議会副議長、北海道私立幼稚園PTA連合会副会長、北海道若手市議会議員の会会長。現、苫小牧漁協理事、音楽講師、苫小牧ラグビー協会会長、会社役員。「題名のない音楽会」(テレ朝)第4回歌ってみまSHOWグランプリ。自ら貿易を通じ世界観を高め各国からのホームステイも積極的に受け入れ相互理解に取り組む。
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