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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第58回 東久留米市がどこにあるか知ってますか? (2013/10/30 東京都東久留米市議会議員 佐藤一郎氏/LM推進地議連会員)

関連ワード : 佐藤一郎 東久留米市 

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第58回は、東京都東久留米市議会議員の佐藤一郎氏による『東久留米市がどこにあるか知ってますか?』をお届けします。

◇      ◇      ◇

 皆さん、東久留米市をご存知ですか?
 私が東久留米市から来ましたと言うと「あ~、志村けんが生まれたとこね」(それは東村山市!東村山音頭が一世を風靡しました)、または「九州から来たんですか」(それは福岡県久留米市です。松田聖子やチェッカーズを輩出しています)と決まって言われます。

 東京以外にお住まいの方ならいざ知らず、東京に住んでいる方からも同様のことを言われることが多いのです。恥ずかしながら、かくいう私も1997年に東久留米市に引っ越してくる前までは同じようなものでした。東久留米という名前を聞いたことがあっても、正確な位置やどんな市なのかを知っている人は少ないというのが正直なところでしょう。

 最初に東久留米市の概要を説明させていただきます。

2008年6月に東京都で唯一「平成の名水百選」に選ばれた南沢湧水

2008年6月に東京都で唯一「平成の名水百選」に選ばれた南沢湧水群

 東に西東京市、南に小平市、西に東村山市、北は清瀬市と埼玉県新座市に隣接しています。面積は12.92平方キロ、人口は約11万6千人(2013年10月1日現在)です。市内には駅が西武池袋線の東久留米駅しかありません(選挙前は駅頭の場所取り合戦も熾(し)烈を極めます)。池袋駅から20分強で、水と緑豊かな東久留米市を訪れることができます。どれだけ水と緑が豊かかといえば、駅から5分の距離にある市役所の裏には畑が広がっており(野菜の直売もしています)、そこからすぐの落合川では夏は子供たちが水遊びに興じています。実際に落合川と南沢湧水群は環境省が定めた「平成の名水百選」に東京で唯一選ばれています。都心から近いのに自然豊かで、家族で住むにはとてもいいところだと思います。

 農業が中心のまちでしたが1960年代からは大規模団地が次々誕生し、1970年の市政施行前には日本一人口の多いまちだったということです。そのような経緯もあり、現在は高齢化率が25%を超えて多摩26市の中でも2番目に高い高齢化率になっています。

 さて、そのような市で私は約20年間の会社員生活に別れを告げ、一念発起し2011年4月の統一地方選挙で市議会議員に立候補しました。俗に『3バン』といわれる地盤、看板、カバンも何もない選挙でしたが、幸運にも市議会に議席をいただくことができました。

 議員になった当初、これまでの会社員時代とは全く異なる議会活動というもののルールを把握するまでは、まさに右往左往していました。特に一人会派だったため、教えてくれる先輩もなく、手探りで議会活動を進めていたというのが正直なところです。

東京都東久留米市議会議員 佐藤一郎氏

東京都東久留米市議会議員 佐藤一郎氏

 聞くところによると、他の市区議会では一般質問をあまり行わない議員もいるとのことですが、東久留米市では全議員が毎議会ごとに一般質問を行い、それぞれが60分の持ち時間をフルに使って質問をしています。議員それぞれが市政の問題点を洗い出し、他市の事例なども研究し、構成を考えて質問するので議員としては鍛えられると思います。また再質問はもちろん通告の必要はないので、各自の持ち時間内であればさらに深く、あるいは角度を変えて何度でも質問できます。議論が深まりますが、同時に各議員には『質問力』も要求されます。片山善博・前鳥取県知事が『学芸会』と呼んだ、あらかじめ打ち合わせした原稿を読み合うだけの議会ではありません。きっと傍聴者は退屈しないと思います。

 またやっと先日の第3回定例会から、本会議のみではありますがインターネットの録画中継も始まりました。ぜひお時間のあるときに市のホームページからのぞいてみてください。

東久留米市のホームページ「東久留米市議会映像配信」

 ここまで書くと活性化された議会だと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし実は東久留米市議会は多摩地域では『荒れた市議会』として有名なのです。昨年度の当初予算は毎議会ごとに否決され、その都度暫定予算でつないできましたが、昨年末の第4回定例会でも当初予算が否決され、ついに市長は当初予算の専決処分を行いました。また昨年から今年にかけて、毎議会ごとに市長に対する問責決議や辞職勧告決議が圧倒的多数で可決されています。

 その大きな理由は、市長を応援する議員が議会開催ごとに減っていき、現在ではついに22人の議員のうちわずか1人になってしまったことです。私が議員になった当初はいわゆる与野党は伯仲していたのですが、市長の市政運営のまずさから徐々に与党会派が市長へ反旗を翻しだしました。特に決定的だったのは、昨年末の当初予算の専決処分です。これまで市長を応援してきた議員たちの制止を振り切って独断で専決処分を強行したため、議会との溝は決定的になりました。

 このようなことがあり、今年度の当初予算は市長に再度専決処分をされるのを防ぐため、最初から議会で大幅な修正をして可決しました(市長はさんざん新聞社には文句を言っていたようですが)。

 そんな市長の任期ももうすぐ終わり、12月には市長選挙が行われます。どのような結果になるかは分かりませんが、多くの市民に東久留米市の将来を考えて投票していただきたいと思っています。

 投票率が低くなり、一部の市民だけの選挙にしてはいけません。

東久留米市の地域資源をPRするキャラクター「湧水の妖精るるめちゃん」

東久留米市の地域資源をPRするキャラクター「湧水の妖精るるめちゃん」

 先にも書きましたが、東久留米市の高齢化率はいよいよ今年25%を超えました。また市の人口もあと数年で減少傾向に入ると予測されています。市の税収の約半分を占める市民税の減収は、市政にとって大きな危機です。現在市で取り組んでいる企業誘致は当然のこととして、やはり若い世代に向けて東久留米市の魅力を発信して、東久留米市を住みたいまちにしなければなりません。多摩地域に住もうと考えている人に、東久留米市を選んでもらえるように他市との差別化が必要になります。

 西武池袋線は東急東横線とも副都心線でつながり、東久留米から横浜へも乗り換えなしで行けるようになりました。交通の便がよく、水と緑も豊富な東久留米市の魅力をもっと発信すべきです。また保育施設を増やし、待機児童も減らさなければいけません。そのような情報発信や子育て環境を整備することに、市の予算を集中的に投下すべきです。財政状況が厳しい市政において、それをするためには、その他分野の予算の削減は避けて通れません。さまざまな障害(抵抗?)はありますが、それをやりきらなければ東久留米市に未来はありません。私はこれからも、行財政改革と魅力あるまちづくりに取り組んでいきます。

著者プロフィール
佐藤 一郎(さとう いちろう):東京都東久留米市議会議員。1966年宮城県生まれ、A型。会派 みんなの党(1人会派)。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。大学卒業後、外資系商社に約20年間勤務していたが、市の事業仕分けの委員になったことがきっかけで市財政を調査するうち、市の将来に不安を抱き自ら立候補を決意、最下位で滑り込み当選を果たす。
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