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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第54回 市議会議員となって私にできることは・・・ (2013/10/2 静岡県菊川市議会議員 倉部光世氏/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第54回は、静岡県菊川市議会議員の倉部光世氏による「市議会議員となって私にできることは・・・」をお届けします。

◇      ◇      ◇

暮らすのにちょうどいいまち菊川

 菊川市は、静岡県西部と中部の境、市の東部からは「日本一の大茶園」牧之原台地が広がり、温暖な気候で「深蒸し茶発祥の地」として茶業が盛んなまちです。

静岡県菊川市議会議員 倉部光世氏

静岡県菊川市議会議員 倉部光世氏

 1889年に東海道本線が開業して以降、菊川駅(開業当時は堀之内駅)を中心に市街地が形成され発展した街で、以降村々の合併を重ね、2005年菊川町と小笠町が合併して現在の菊川市となりました。人口は、48,017人(2013年7月31日現在)。

 ほかのまちと比べると東海道の宿場でもなく歴史も浅く、特筆する観光資源も少なく、知名度の高いまちとはいえませんが、東名高速菊川インターチェンジ、JR東海道本線菊川駅を有し、さらには車で約20分圏内に富士山静岡空港やJR東海道新幹線掛川駅の利用が可能で交通の便には恵まれています。豊かな自然に囲まれ、行政との距離も近い大きすぎないまちで、子育て環境もよく、暮らすには「ちょうどいいまち菊川」です。

 今年の夏の高校野球静岡県大会決勝戦では、市内の3つの高校のうちの2校の常葉学園菊川高校と菊川南陵高校が戦いました。高校野球関連で、菊川の名前を聞いたことがある方が多いかもしれません。

議会の概要

 2013年1月に選挙があり、議員定数17人のうち7人が新人です。女性は2人。会派は4会派(みどり21/11人、市民ネット/4人、日本共産党菊川市議団/1人、前進/1人)とやや不均衡気味です。平均年齢は63.2才と少々高めであり、51才の私が若い方から2番目で、女性も今回の選挙でやっと2人になりました。

 2009年に静岡県内初の議会基本条例が制定され、開かれた議会を目指して議会報告会も各地区11会場で行っております。しかしながら、本会議の様子は庁舎1Fロビーでは生中継はされていますが、インターネット配信等は行われておらず、議員平均年齢が高いことを反映してかICT化についてはかなり後進的、開かれた議会について今後の課題も多く抱えています。

議員になったのは・・・

 今年の1月の選挙で当選し、議員となって8カ月が過ぎました。地区推薦なし、所属政党なしのしがらみのない立場で立候補しました。選挙活動は、ボランティアで子育てサポーターやフリーマーケットを一緒に開催しているママ仲間が協力してくれました。特別な選対委員長もおらず、地元推薦での立候補がほとんどの当市の選挙で、かなり無謀なことだったかもしれません。

 高校を卒業以来20数年は地元を離れて生活していましたが、13年前に子育てをするのを機会に地元菊川市へ戻りました。都会で会社員として働いているころは、特に行政や政治に興味も持たず、自分の関心のあること、周りのことだけ考えていればよかったのですが、いざ地元に帰って暮らし始めると、今までとは全く違い“生活をする”いうことを感じるようになりました。

笑顔で子育て奮闘中のママと能力を持つ女性をサポート

笑顔で子育て奮闘中のママと能力を持つ女性をサポート。

 戻った当初はよくいう浦島太郎状態で、知人も少なく子育ても初めてのことばかりで、児童館も常連ばかりで居心地が悪く、問い合わせに行政窓口に行っても何となくすっきりしないと思うことが多々ありました。とにかく昔住んでいた町と何かが違う、活気が違うと感じつつ、子育てサポーターとして子育て支援をしたり、まちを元気にするフリーマーケットを開催したり、PTA活動をしたり、できる範囲の活動をしていました。やればやるほど、いろいろやっていてもなかなか中心に声が届かない、市民が知らないうちに決まってしまい、実行され、納得のいかない結果になるものが多すぎるという思いが日増しに強くなっていました。

 今回の選挙の前、それならいっそ市議会議員になればと周りから声が上がり、遠回りしてもだめだったから自分から中に飛び込んで、何が足りないのか変える取り組みをしてみようと出馬を決めました。投票日の1カ月半前のことです。

議員になって・・・

 具体的に何をするのかという知識はほとんどなく、気持ちで議員になりました。すぐに、違うと感じたのは行政窓口の対応が丁寧になったことでしょうか。とにかく半年は議会の仕組みや議員の仕事や、立ち位置を見極めることに専念するしかありませんでしたが、思っていたより議員同士での議論の場というのが少ないと感じています。とにかく4年の任期で16回しかない一般質問については、初回から登壇し、市民の声を聴き市政に活かし、行政、議会の見える化を推進することを訴えていますが、一問一答でそれなりの答えを導き出せるようになるのが私の課題の1つです。

 市民のみなさんの議員に対しての印象は、昔ながらの「お願いするといろいろやってくれる地元の代表者」というイメージがまだまだ強いようです。議員になると、「市役所にこれを頼んでほしい」というお話が私にも届くようになってきました。やれることは対応していますが、実際は、直接ホームページから意見を送ったり、各担当課へ電話をすれば比較的すぐにやってもらえることが多いのが現状です。ある意味、議員でなくても、誰が行っても同じ対応をする窓口と思っていただけなくてはならないはずなのですが。

これから・・・

 菊川市が今後抱える問題は、ほかと変わらず人口減少、高齢化、住民福祉バランス、今まで財政のツケや今後の公共施設のファシリティマネジメントなどです。これからは、補助金頼りでなく、限りのある財政の中でどう折り合いをつけていくかということが必要と思っています。

 そんな中、市議会として行うべきことは、議会が市民にどう役に立っているか、どれだけ市民の意見を反映する場になっているかを評価し、議会で行われていることの見える化推進をする議会改革を進め実践すること、限られた財源の中でどれだけ市民が納得する方向性で施策・政策を構築しているかのチェックを行い、必要に応じた条例など社会の決まりを作ることです。

 まちの外から戻ったからこそ見えたこと、一市民として思っていたことを忘れずに、これからを担う若者や今まで関心を持ってもらえなかった女性にも興味を持ってもらえる分かりやすい議員活動をしていきたいと思っています。菊川市をピーアールし、住みたいまち、子育てしたいまちにするために、市民の声を反映しながら、人財という資源を掘り起こしていける政策を推進していきます。

著者プロフィール
倉部 光世(くらべ みつよ):静岡県菊川市議会議員 無所属。1962年6月12日生、菊川市立六郷小、静岡大学附属島田中、県立掛川西高、セツ・モードセミナー卒。東京、福岡でサービス業・不動産業などに従事したあと、菊川市へ戻り、六郷小学校PTA会長、パン教室講師、子育てサポーターとして子育てサロン開催、まめまめマーケット開催、mama’s ShareShop Soramame運営など子育て支援活動を行い、2013年市議会議員に当選1期目。
facebook:倉部 光世
Twitter:@kikutoratora
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